この食材の名前は? サイズも甘さもちょうどいい
旬の食材は食べて美味しいだけではなく、栄養もたっぷり。本コーナーでは魚や野菜、果物など旬食材の魅力をご紹介します。
さて、今回のテーマとなる食材は?
文/おと週Web編集部、画像/写真AC
■意外と新参者です
正解:小玉すいか
難易度:★★☆☆☆
皮のそばまで甘い!
5月中旬頃から8月頃が旬と、大玉のすいかよりもひと足早く旬を迎える「小玉すいか」。
その歴史は意外にも浅く、誕生したのは1958年(昭和33年)です。核家族化が進み、大玉のすいかでは食べ切れない、さらに冷蔵庫で冷やしにくいなどの問題もあり、その問題をクリアすべく開発された品種なのです。
1玉の重さは、大玉すいかが平均で3〜5kgであるのに対し、約2kgと小ぶりです。果肉の色は大玉すいか同様、赤色のほかに、黄色のものなどもあります。
生産地のトップは茨城県、群馬県や新潟県も生産量の多い地域となっています。
名前は「小さい」ことに由来しているだけではなく、東海道新幹線「こだま」が開通した1964年(昭和39年)と同じ頃に品種改良されたことにも由来しているとか。
小玉すいかの特徴は、小ぶりなサイズだけではありません。
皮が薄く実が詰まっていて、糖度が高く、甘さが均一であることも大きな特徴です。大玉すいかは皮のそばは甘みが少なめになりますが、小玉すいかは皮のそばでも甘みが強め。最後まで美味しくいただけるところがうれしい点です。
冷蔵庫で冷やしやすい小玉すいかですが、冷やしすぎるとせっかくの甘みが失われてしまいます。そのため、食べる1〜2時間くらい前に冷蔵庫に入れて冷やすのがおすすめです。
美味しい小玉すいかの選び方
縞模様が太くはっきりとしているもので、ツヤのあるものを。ツルが緑色でしなびていたり、変色していないかもチェックしましょう。
ツルの付け根の部分がへこんでいて、その周囲が盛り上がっているものが甘みが強い傾向があります。
また、手で軽く叩いてみてポンポンといい音がするものを選びましょう。逆に、コツコツと高い音がするようなものは未熟で甘みが弱い可能性があります。
また、追熟しないフルーツのため、購入後はできるだけ早く食べ切りましょう。
【今月の旬食材は?】いま1年で最も旨い食材
小玉すいかの注目栄養素
すいかはほとんどが水分で占められているため、ひと昔前は、糖質や水分を補給する程度の栄養価はさほど高くないフルーツと位置づけられていました。
しかし、トマトにも含まれている赤い色素成分であるリコピンの含有量が多いことがわかり、その栄養価が見直されることに。
さらに、すいかから発見された「シトルリン」という成分は、血管拡張作用や、血管を丈夫にする一酸化窒素という物質の生成を促す作用があることが医学的に明らかとなり、いまでは、すいかの栄養的価値はよりいっそう見直されてます。
ちなみに、欧米では、動脈硬化の予防のためシトルリンのサプリメントを摂取する人もいるほど、世界的に注目度の高い成分です。
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