4団体統一王者・井上尚弥(写真:西村尚己/アフロスポーツ)

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プロボクシングのWBO・IBF世界スーパーバンタム級1位サム・グッドマン(オーストラリア、25)が2024年7月10日に地元オーストラリアでWBC同級8位チャイノイ・ウォラウト(タイ、26)とノンタイトル12回戦を行う。複数の海外メディアが報じた。

「負ければ100万ドルの報酬が目の前で消えてしまう」

グッドマンは、スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋、31)の次期挑戦者として9月の対戦が有力視されていた。だが、7月にノンタイトル戦を行うことで事実上、9月の井上戦を「回避」。複数の海外メディアによると、グッドマン陣営は12月に井上戦を計画しているという。

井上への指名挑戦権を保持するも、井上陣営の意向に反して7月にノンタイトル戦を強行するグッドマン陣営。挑戦者の立場ながら独自路線を貫くグッドマン陣営の動向に、複数の海外メディアが注目した。

米国の歴史と権威あるボクシング専門誌「ザ・リング」(WEB版)は5月29日、「ギャンブラー、サム・グッドマン 調整試合で井上尚弥との一戦に賭ける」とのタイトルで記事を公開した。

記事では「この試合(ノンタイトル戦)にリスクがないわけではない。IBFとWBOの両方で井上への挑戦者として最有力候補に挙げられているグッドマンは、ウォラウトに負ければ、日本の天才ボクサーと戦って得る100万ドル(約1億5700万円)の報酬が目の前で消えてしまうだろう」と、ウォラウト戦のリスクを指摘した。

ウォラウトは25戦(15KO)1分の無敗を誇る選手で、WBCスーパーバンタム級の地域王座を保持していた。

「タイはタフで頑丈な戦士を輩出することで知られている」

「ザ・リング」は「母国以外ではほとんど知られていないが、伝えられるところによるとムエタイで200戦以上を戦っており、格闘技一家の出身である」とウォラウトの経歴を紹介し、タイ出身ボクサーの「危険性」について、こう記した。

「タイはタフで頑丈な戦士を輩出することで知られており、有利な相手が準備不足の場合、逆転することができる」

グッドマンの地元メディア豪州版「フォックス・スポーツ」(WEB版)も、ノンタイトル戦のリスクについて言及している。

「グッドマンは、ウォラウト戦の勝利は井上を倒すための完璧な準備であり、間違いなく国内のボクシング史上最大の番狂わせをすると主張しているが、負ければその機会は完全に消えてしまうだろう」

グッドマンが7月にノンタイトル戦を行うことにより、井上陣営が予定する9月の対戦相手として元IBF世界スーパーバンタム級王者テレンス・ジョン・ドヘニー(アイルランド、37)が浮上。ドヘニーは井上が防衛戦を行った5月6日の前座に登場し、4回TKO勝利を収めた。