(写真:Mac/PIXTA)

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雨で外干しできない洗濯物を部屋干ししたら、洗った衣類なのに、なぜか生乾きのボロ雑巾のような“くっさ〜い”臭いが……。そんな経験をした人は多いだろう。

先週、沖縄・奄美地方が梅雨入りし、これから約2カ月間、日本はジメジメ、ジトジトした湿気の多いシーズンを迎える。この時季、頭を悩ます家事といえば洗濯だろう。とくに気になるのが部屋干しによる洗濯物の臭いだ。

部屋干しでの衣類の生乾き臭は、雑菌の繁殖によるものです。生乾きの臭いの原因は“モラクセラ菌”という菌で、この菌を洗濯物につけない、増やさないことが、重要なポイントになります」 こう語るのは、家事アドバイザーの河野真希さん。

あの嫌〜な生乾き臭は、ふだんからやりがちな、間違った洗濯&部屋干し習慣を改めることで防ぐことができるという。

さっそく、河野さんに部屋干しNG習慣と、その対策を教えてもらった。

【 NG習慣(1)】洗濯物を洗濯槽の中で保管

「洗濯前に汗や汚れがついた衣類を洗濯槽に入れ、ため込んで保管するのはやめましょう。そのまま蓋なんかした場合、雑菌を繁殖させてくださいと言っているようなものです。洗濯槽にカビが生える原因にもなります。

通気性のいいランドリーボックスに保管してください。ただし、ぬれたタオル、衣類などは一度ハンガーなどにかけて乾かしてから入れること」(河野さん、以下同)

部屋干しする場合、いちばん適した場所は浴室

【 NG習慣(2)】容量以上の洗濯物を洗う。洗剤はいつも多めに入れている

「容量オーバーだと汚れが落ちません。梅雨時季は、洗濯物の量を減らし、こまめに洗うことがポイントです。洗剤も容量に合わせた適量を入れることが大事。多めに入れた場合、洗剤が溶け残り、それが雑菌繁殖の原因にもなります。

除菌効果を高めたい場合は、部屋干し用の洗剤に、酸素系の漂白剤を加えて洗うとより効果的です」

【 NG習慣(3)】洗濯が終わっても、洗濯機に入れっぱなしのまましばらく放置

「蓋が閉まった洗濯機の中に、ぬれた状態の洗濯物を入れっぱなしにしておくと、湿気がこもり、衣類に雑菌が繁殖する可能性があります。洗濯終了後は、すぐさま取り出して干すことが大事です」

【 NG習慣(4)】洗濯機の使用後は蓋を閉める

「洗濯が終わり、洗濯物を取り出した後、すぐに蓋を閉めてはいけません。洗濯槽の中には水分が残っているので、蓋は開けたままにする。水分が残った状態で蓋を閉めると湿気がこもり、カビや雑菌が繁殖します。ドラム式の場合は、高温で衣類乾燥まですると思いますので、その場合は使用後に蓋を閉じても構いません」

【 NG習慣(5)】カーテンレールに洗濯物を干す

「洗濯ハンガーを引っ掛けやすいカーテンレールに干す人が多くいますが、直接引っ掛けて干すのはNGです。カーテンは頻繁に洗うものではないので、洗濯物に汚れがついて雑菌の繁殖、臭いのもとになります。逆にぬれた洗濯物がカーテンに触れることで、カビやすくなり、カーテン自体が臭うようになる可能性があります。

カーテンレールやドアの上部、鴨居などに干す場合は、専用のフックや部屋干し用のハンガーなどを利用して、洗濯物を干すようにしましょう。ホームセンターや100円均一ショップなどで購入できます」

河野さんによると、臭いの原因となる“モラクセラ菌”は、5時間以上で一気に増殖するそう。生乾きの臭いを防ぐために、部屋干しに適したベストな場所、そして洗濯物を早く乾かす方法をさらにアドバイスしてもらった。

部屋干しする場合、いちばん適した場所は浴室です。まず、窓が付いている浴室であれば開けましょう。窓がない場合は換気扇を回す。そして洗濯ハンガーを引っ掛ける吊るし棒(なければ、突っ張り棒を設置する)に洗濯物を干します。このとき、洗濯物同士が触れないように間隔をあける。さらに、扇風機やサーキュレーターを浴室内に入れて、首を回しながら洗濯物が乾くまで風を当てる。早く乾燥させるためには、通気性をよくすることがとても重要です。

洗濯物同士が密着しないように、洗濯する量を減らし、こまめに洗って干すようにする。除湿機を活用するのもありです」

部屋干しをする際は、ハンガーだけでなく、折り畳み式の洗濯台があれば、洗濯物同士の間隔にもゆとりが生まれる。

これで梅雨時季の悩ましい生乾き臭からはオサラバだ!