中国でスクラップとして販売されていたA12Zチップ搭載の開発者向けMac miniを完全修復するムービー
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PCやスマートフォンの高度な改造ムービーをYouTubeに公開しているdosdude1氏が、中国の業者から購入したというA12Zチップの開発者向けMac miniのスクラップ基板を復活させるまでの様子をムービーで公開しています。
Apple Wanted this DESTROYED... - YouTube
dosdude1氏が購入した基板がこれ。2020年にAppleは独自開発のプロセッサ「Appleシリコン」を発表し、Intel Coreプロセッサからの移行を発表しました。この発表と同時に、AppleはQuick Start Programに参加した開発者に、A12Z Bionic搭載・RAM16GB・512GB SSDストレージ・macOS Big Surの開発者ベータ版・XCodeを搭載したMac miniを配送しました。この基板は、その開発者向けMac miniに搭載されていたもの。
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この基板はAppleによってスクラップされたものが、中国の業者によって転売されたもの。基板の一部にカットが入っていますが、このカットはAppleがスクラップにする際に入れたもので、カットによって8〜12層ある基板が変形しており、この状態で電源を入れてしまうとショートを起こしてしまうため、基板そのものが使いものにならなくなってしまいます。
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また、はんだ付けされていたストレージのNANDフラッシュメモリは外されています。dosdude1氏によると、これはおそらく中国の業者が外したと思われ、作業がやや雑なのか周囲の部品にも損傷が見られるとのこと。
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基板を使えるようにするために、電源を入れる前にまず近くのコンデンサを調査してみたところ、完全にショートしていることがわかります。
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そこで、回転ノコギリを使ってカットされて変形した部分のほとんどを切り取ります。
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さらに棒ヤスリを電動ドライバーに装着し、切り取った場所を削ります。
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さらに削り取った部分のバリを取った後、板ヤスリで周囲を削ります。時折通電チェックをしながら加工することで、基板内の層が重なってショートを起こすことがなくなります。
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さっそく電源を接続した基板をUSB-CケーブルでMacBookにつなぎ、チェックします。なぜかDFUモードのiPhoneとして認識されていますが、ひとまず問題なく動作するようにはなった模様。
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今度はNANDフラッシュメモリを装着する必要があります。まずは余計なはんだを吸い取って掃除します。
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周辺の部品は他のスクラップ基板から流用します。2020年モデルのIntel搭載MacBook Airから、128GBのNANDフラッシュメモリを拝借。
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書き込み装置を使ってNANDフラッシュメモリをフォーマットし、Mac miniのシリアルナンバーなどのCIS情報を書き込みます。
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書き込みが終わったNANDフラッシュメモリを基板にはんだ付けします。
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この状態でWi-Fiモジュールや電源を接続して、復元プロセスを行ってから起動してみることに。
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しかし、起動自体には成功しても、アクティベート画面が表示されて再起動を繰り返してしまいます。これはNANDフラッシュメモリに登録されているシリアルナンバーとMACアドレスの情報に問題があるため、Wi-Fiモジュールにアクセスできず、サーバーとのやり取りができないためだそうです。
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そこで、NANDフラッシュメモリを基板から外し、再び書き込み装置を使って正しいシリアルナンバーとMACアドレスの情報を書き込みます。
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再度NANDフラッシュメモリを基板にはんだ付けした上で起動すると、今度はmacOSのセットアップ画面が表示されました。
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OSはmacOS Big Surです。
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この基板を、2018年モデルのMac miniのボーンに取り付けます。
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ここで、2018年モデルのMac miniでは電源のオン・オフを示すLEDインジケーターがついていたことに気付いたdosdude1氏。これを有効にすべく、LEDを接続するためのソケットを基板に取り付けます。
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放熱用のクーラーを装着。
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さらにファンを取り付けます。
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裏蓋を閉めたら完成。なお、ボーンは2018年モデルで、基板は2021年モデルなので、ネジ穴は一致しなかったそうですが、I/Oパネルのクリップで十分固定できているので問題ない、とdosdude1氏。
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すべてを組み立ててモニターに接続。macOSが問題なく立ち上がり、使えるようになりました。
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