仕事や勉強など、作業がはかどる機能をもつ「はかどり文房具」の頂点を、読者や文房具ファン、一般ユーザーによる厳正なる投票で決定する「文房具総選挙」。12回目となる今回は、全9部門・100点もの文房具がノミネートされました。

 

文房具総選挙は大賞以下、読者や文房具ファンからの厳正なる投票のみで決定されるアワード。別枠で、昨今の文房具シーンを語るうえで欠かせないエポックな商品に贈る特別賞を新設し、選考委員全員で選出しました。

 

 

【開発者の粘り勝ちで賞】

修正液市場の雄が世に放つ“塗る修正テープ“

修正テープに押され、世界的に縮小する修正液市場に、40年以上市場を牽引してきたぺんてるが挑戦。長年研究を続け、5年前に開発に着手。同社にとって17年ぶりの新商品(※修正具市場において)が完成した。開発者の粘り勝ちと言えよう。

ぺんてる
ホワイトスピード
440円

1983年にペンタッチボトル型の修正液を開発した同社が新たに世に出したのが、幅広のペン先を搭載した修正ペンだ。修正テープのようにひと塗りで広範囲の修正ができるだけでなく、修正テープでは引けない曲線も思いのまま。

 

↑中央の銀色のペン先から修正液が出て、両端の突起まで広がる仕組み。修正液自体も従来品よりもマットな質感で、紙によく馴染む。乾きが速いのも魅力だ

 

【わかりにくいけどスゴイで賞】

インク量をキープしたまま多色ゲルをスリム化

これまで多色ペンをスリムにするには、リフィルを細くしインク量を犠牲にせざるを得なかった。そのため書き心地が軽いぶんインクの排出量が多いゲルインクの場合、スリム化は諸刃の剣とも言えた。しかしついに、インク量を減らさずに細軸化を実現!

ゼブラ
サラサクリップ3C
各440円

新開発の「サイドスプリング」機構により、軸径を8%スリム化。従来の機構では、内部のスプリング同士が絡まらないよう、ボディの中央に空間を設ける必要があったが、本品では中央の空間が不要に。

 

↑同社の従来品(青)と本品(水色)を比較。ボディは細くなっても、インク芯の太さはそのままで、従来品同様たっぷり書ける。重さも7%軽くなった

 

↑従来の多色ペンでは、スプリングを各インク芯に巻きつけていた。しかし本品ではスプリングを芯のサイドに配置している

 

【投票イベントで一番評価されたで賞】

まるで魔法の紙!見たら驚く薄さと柔らかさ

4月9日に行われた、実際に商品を試したうえで投票できるイベントで、最も票を集めた商品を称えるのが本賞だ。電子メモとは思えない、あっと驚くビジュアルが会場で注目をさらった。この商品は全体で第4位、記録する部門第2位と、ウェブ投票でも順当に評価された。

キングジム
「ブギーボードぺーパリー」
BB-18
5170円(Sサイズ スターターセット)
5940円(Mサイズ スターターセット)

従来の電子メモにはない圧倒的な薄さと柔らかさが特徴で、重ねて保管が可能。背面のマグネットでスチール面に掲示でき、付属のステンレスシートを使えば、マグネットがくっつかない場所にも貼れる。

 

↑書き込みを消すときは、左上の丸いパーツに、スタイラスの後端を当てるだけ。スタイラスは電池交換式で、約10万回消去可能だ

 

【SDGs文房具の今後を予感させたで賞】

色覚多様性に配慮した配色とデザインを採用

エコな素材の使用が主流のSDGs分野において新たな潮流を感じさせるアイテムを、さらなる広がりを期待して表彰。見た目ではわかりにくい、困難を抱える人でも使いやすい、ユニバーサルな点が評価された。

プラス
みんなのふせん 強粘着
2695円(各色2パッド・計10パッド入り)

色の見え方の違いに配慮して、識別しやすい配色を採用すると同時に、上部に色の名前もプリント。強粘着タイプで、紙やホワイトボードにしっかり貼れ、ブレーンストーミングなどでも活躍。

 

【ド直球でスゴイで賞】

大容量インクで長く使える超オトクペン

本賞では、“ド直球なわかりやすさ”が光る商品をピックアップ。インクはゴツ盛りでも、特徴は超シンプル。聞いただけでメリットが分かる名前と見た目が、ひときわ異彩を放っていた。

エポックケミカル
ゴツ盛りインクの蛍光ペン
各374円

一般的な蛍光ペンの約6倍(同社商品比)の量のインクを搭載しながらも、価格を3倍程度に押さえた高コスパペン。その筆記距離は、なんと約570m。インク残量が見えるため、買い替えのタイミングがわかりやすい。

 

↑ボディ自体が商品ポップの役割を担っている点もユニーク、かつわかりやすい。直液式でインクがドバドバ出るため、かすれ知らずだ

 

※価格はすべて消費税込み。

 

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