火星を移動する手段としてはタイヤを備えた車両がありますが、もう一つ別の可能性として「ヘリコプター」も存在します。そして、インドは2回目の火星探査でヘリコプターの使用を計画しているようです。

↑火星にインドのヘリが舞う(画像提供/NASA/ISRO/Robert Lea)

 

火星で活躍したヘリコプターといえば、米航空宇宙局(NASA)の「Ingenuity(インジェニュイティ)」があります。こちらは本体に二重反転ローターを搭載したヘリコプターで、当初の予定を大幅に超える72回の飛行を実施し、今年1月にそのミッションを終了しました。

 

火星は重力が地球よりも小さい(約3分の1)だけでなく、大気密度が地球の約100分の1しかありません。このような環境では、航空機が飛行するための揚力を生み出すのがとても難しいのです。一方でヘリコプターのような航空機は、車両に比べて圧倒的に速く移動できるので、NASAもそれを期待してIngenuityの実証実験を行っていたのです。

 

今回のIndia Todayの報道によれば、2024年後半にも実施されるインドの第2回目の火星探査ミッション「Mars Orbiter Mission-2(MOM-2)」、別名「Mangalyaan-2(マンガルヤーン2号)」にて、探査車やヘリコプター、そして超音速パラシュートやスカイクレーンといった新技術を試す予定だと報じられています。

 

MOM-2が成功すれば、インドは米国と中国に続き、火星に宇宙船を着陸させた3か国目の国となります。インドは2019年に「Chandrayaan-2(チャンドラヤーン2号)」で月面着陸にチャレンジする(ミッションは失敗)など、宇宙開発における存在感をますます高めており、今後の躍進に期待したいものです。

 

Source: India Today via Space.com