年収550万円で住宅ローンを組むならいくらまで借りられるのか?
年収550万円の場合、無理なく返済できる借入額はいくらなのでしょうか。
今回は年収550万円前後でマイホームの購入を検討している人に向けて、年収550万円だと住宅ローンをいくらまで組めるのか、また無理なく返済できる借入額はいくらなのかについて解説します。
なかには借入限度額上限までの借り入れを考えている人もいるかもしれませんが、借入限度額上限までの住宅ローンを組んではいけない理由についても紹介しますので、参考にしてください。
年収550万円の場合いくらまで住宅ローンを組むことができる?
年収550万円の場合、いくらまで住宅ローンを組むことができるのでしょうか。
一般的に住宅ローンの借入限度額上限は、年収の7倍~10倍程度といわれています。上限額の基準は金融機関によって異なりますが、年収550万円であれば5,500万円程度まで借り入れられる金融機関が見つかる可能性があるということです。
ただ、住宅ローンを借り入れる際には、返済負担率(返済比率)を考慮する必要もあります。
返済負担率とは、年収に占める年間のローン返済額合計の割合のことです。計算の基となるローン返済額には住宅ローン以外に借り入れている奨学金や各種ローンの返済額も含まれます。そして、返済負担率の上限を30%~35%、高くても40%としている金融機関が一般的です。
借入限度額の住宅ローンを組んではいけない三つの理由
なぜ借入限度額上限いっぱいまでの住宅ローンを組むべきではないのでしょうか。
代表的な理由として挙げられるのは、以下の3点です。
・住宅ローン以外の支払いもある
・住宅購入時に組んだローンより多くの資金が必要になる
・手取り月収の約半分を住宅関連費が占めてしまう
それぞれの理由について、以下で詳しく解説します。
税金など住宅ローン以外の支払いもあるため
住宅を購入すると、住宅ローンの返済以外にもさまざまな支払いが発生します。
まず、住宅取得時に1度だけ発生する不動産取得税をはじめ、住宅購入後ずっと必要になる固定資産税の支払いや火災保険および地震保険料のほか、修繕積立金を含む修繕費用など、購入した住宅を維持するための費用がかかります。
固定資産税は周辺環境の変化によっては上昇する可能性もありますし、大がかりな修繕が必要になった際にはまとまった費用がかかります。今後のライフプランによっては、子どもの教育費などがかかり、住宅ローンの返済額が家計を圧迫する可能性もあるでしょう。
住宅ローンを組む際には、これらの費用とあわせて住宅ローンの返済を続けていけるのかを考えながら、最終的な借入額を決める必要があります。
もし借入上限額いっぱいまで借りてしまうと、住宅ローン以外の返済が困難になる可能性がありますので、余裕を持った借入金額に抑えることが大切です。
住宅購入時に組んだローンより多くのお金が必要になるから
住宅購入時には頭金を用意する必要があるほか、住宅ローン契約にかかるローン事務手数料や保証料、また、抵当権設定にかかる登録免許税などの諸費用が発生します。また、不動産を取得した際には不動産取得税が発生することや、不動産会社に支払う仲介手数料も忘れてはいけません。
一般的にこれら諸費用の金額は住宅の価格に比例し、住宅の購入金額が高いほど諸費用も高くなる傾向があります。
最近では頭金を入れることで金利を低くする金融機関もみられるようになりましたが、頭金の要件は金額ではなく割合となっており、1割~2割の頭金を入れることで金利の優遇を受けられる仕組みです。
そのため、5,500万円の住宅を購入する際には、550万円~1,100万円の頭金が必要になります。もちろん1割~2割の頭金を支払えるだけの貯蓄があれば問題ありませんが、貯蓄のすべてを頭金として使うことは避けなければなりません。
頭金として入れられる金額は、現在の貯蓄額から生活防衛費として毎月の生活費の3ヶ月分~6ヶ月分を残した金額だと認識しておきましょう。
手取り月収の約50%を住宅関連費が占めてしまうから
以下の条件だと手取り月収に占める住宅関連費がどのくらいになるのか計算してみましょう。
(条件)
・ボーナスなし
・月収46万円(手取り月収35万円)
・修繕費の積み立て:毎月1万円
・固定資産税:年間20万円
・火災保険料(地震保険料なし):年間4万円
仮に5,500万円を金利年1%、返済期35年で借り入れた場合の毎月の返済額は約15万5,000円です。
毎月の住宅関連費は約18万5,000円となり、手取り月収に占める住宅関連費の割合が約53%と半分を超えてしまいます。
生活していくためには、食費や通信費、光熱費などさまざまな費用がかかりますし、医療費など突発的な出費が発生することも考慮しておかなければなりません。理想的な住宅関連費の割合は手取り月収の30%程度といわれています。住宅関連費が50%以上を占めているとかなり家計に負担がかかり、生活に無理が生じる可能性が高いでしょう。
年収550万円の人が無理なく返済できる住宅ローンの金額はいくら?
無理な借り入れを行い、その結果住宅ローンが支払えなくなる、いわゆる住宅ローン破綻などのリスクを抑えるためには、住宅ローンの借入額を年収の5倍程度までに抑えるのが理想です。
年収550万円なら2,750万円程度だと考えておきましょう。ただ、この額はあくまでも一般的な数値です。家族構成のほか、奨学金の返済や車のローンなどほかの借り入れの有無、そして頭金をどれだけ用意できるかなどによって無理なく返済できる借入金額は変わります。
できれば、住宅ローンの返済額が手取り月収の25%程度に収まるよう、借入金額を調整するようにしましょう。
まとめ
最近では住宅価格の高騰により、年収の10倍程度まで借り入れできる金融機関も登場しています。しかし、限度額上限いっぱいまで借り入れるのは最終的に住宅ローン破綻などを起こしてしまう可能性があるため、おすすめできません。
大切なのは、どれだけ借りられるかではなく、どのくらいの借入金額なら無理なく返済を続けていけるかを考えることです。
年収に応じた返済負担率などを考慮しながら、無理のない借入金額を設定するようにしましょう。
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