関連画像

写真拡大

東京弁護士会(上田智司会長)は4月24日、岡口基一裁判官の罷免判決に抗議する会長声明を出した。「証拠裁判主義を否定して弾劾裁判制度の根幹を揺るがした上、適切な基準なく判断して裁判官の身分保障や表現の自由を危うくする論理によってなされた」と厳しく批判している。

東弁は2022年1月12日付で弾劾裁判所に対し、「裁判官の独立を尊重し、慎重な判断を求める意見書」を出し、過去の事例との比較などをした上で「威信を著しく失うべき非行」かどうか十分に審理を尽くすべきだと指摘。罷免による萎縮効果についても、最大限に考慮するよう求めていた。

しかし4月3日の罷免判決は、これらの点について反映されておらず、証拠に基づき事実を認定する証拠裁判主義を正面から否定する内容だとしている。

「『著しく』の定義は曖昧で、過去の例を重視しない不明確な基準に基づく」判決は、裁判官の行為の萎縮を招くと説明。「『司法に対する国民の信頼』を害したかどうかの認定は、その時々の弾劾裁判所を構成する裁判員の良識に依存する」などとした点についても、裁判員による恣意的な判断で容認できないとしている。