セルヴェットFCでプレーする常本佳吾【写真:Getty Images】

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スイス名門で戦う常本佳吾は、グラスホッパー戦で決勝弾をアシスト

 J1鹿島アントラーズからスイスへと渡り、サイドバック(DF)のポジションで現地の評価を高める日本人がいる。

 スイス1部セルヴェットFCでの1年目を戦う25歳のDF常本佳吾は、鉄壁の守備に加え攻撃面でもプレゼンスを際立たせ、その活躍ぶりがクラブからも高く評価されている。

 常本は横浜F・マリノスユースから、明治大学へと進学。かつて日本代表DF長友佑都も同大学で背負った「2番」を付けてプレーした。大学在学中の2020年に翌年の鹿島入りが内定。同年11月には特別指定選手としてJリーグデビューを飾った。

 プロ1年目の2021シーズンはJ1リーグ26試合2ゴールをマーク。約3年間、鹿島で実績を積んだ常本は23年夏にセルヴェットFCへ渡り欧州へ挑戦する。今季リーグ戦はここまで26試合、UEFAヨーロッパリーグ(EL)でも4試合に出場。定位置の右SBで出番を重ねている。

 現地時間4月20日に行われたリーグ第33節グラスホッパー戦(1-0)では圧巻のパフォーマンスを披露。開始早々の2分に右サイドからのクロスで先制弾をアシストすると、持ち味である鉄壁守備でグラスホッパーを完封。攻撃面でも積極的なスルーパスを見せるなど成長著しい。その一例には、前半30分のシュートシーンにも表れている。

 ルーレットの足技で切り込んだハンガリー代表MFベンデグーズ・ボラから受けたマイナスのパスを、常本がダイレクトで振り抜く。鋭いシュートだったが、カバーに入っていた相手DFが間一髪でクリアした。

 クラブ公式X(旧ツイッター)では、そんな常本のグラスホッパー戦のプレーをピックアップし紹介。「常本佳吾フォーカス。守備の威厳と決定的なアシスト。グラスホッパー戦での右SBのファインプレーを振り返る」と題した映像には、先述したような攻守の卓越したプレーシーンが収められている。

 こうした注目度からも、常本への信頼が垣間見える。海外サポーターも「シーズン開始以来最高の選手」「リーグ最高の右SBだ」と称賛し、日本のファンも「この1年でビルドアップとクロス精度がグンと上がった」と実績、成長を喜ぶ声を寄せた。

 過去17度のリーグ制覇を誇るセルヴェットにおいて、鹿島から巣立った25歳の右SBは、スイスの名門クラブでその地位を確実なものにしているようだ。(FOOTBALL ZONE編集部)