ハンドメイドアクセサリーの製作には著作権への配慮も重要だ(写真の作品は今回の注意喚起と直接の関係はありません)

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雑誌「装苑」「ミセスのスタイルブック」をはじめ、多数の洋裁・手芸本を出版している「文化出版局」の販売部公式アカウントが2024年4月17日、本に掲載された作品を「コピー」した商品がフリマサイトで販売されているとして注意喚起を行い、注目を集めている。

「販売することは著作権法の違反行為」「買うことも違反行為に加担してしまうことになる」

文化出版局は、文化服装学院の運営する学校法人の出版部門にあたる。販売部のXアカウントは17日、「編集部からのお願い」を投稿。「フリマサイト等で販売されているハンドメイド品の中に、本の掲載作品をコピーした商品が出品されていることがあるのをご存知ですか?」として、ハンドメイド品の販売に関する注意喚起を行った。

投稿では「本の掲載作品は、作家に著作権があります。刺?・編み物の図や、洋服のパターンなど、本に掲載されている作品の全部(または一部)を模倣し、それを販売することは著作権法の違反行為になります。もちろん、それを買うことも違反行為に加担してしまうことになるのです」などと指摘している。

さらに「作家のみなさまは、本一冊が出来るまで身を削るような努力を重ね、作品を生み出しています」とし、「どうか作家のみなさまが安心して創作活動ができるように、著作権侵害についての理解を深めていただき、もしも身近でそのような行為をしている方がいましたら、その方に伝えていただけないでしょうか」と訴えた。

文化出版局では、洋裁や和裁、パッチワーク、ぬいぐるみ、編み物といったハンドメイドレシピに関する書籍を多く扱っている。こうした書籍で紹介されている作品の制作方法は、あくまでも個人で制作を楽しむためのものであり、書籍によっては「商用利用禁止」など商用利用に関する注意書きが明記されているものもある。

「『商用での使用は禁止』等の注意事項が記載されている場合、販売はできかねます」

大手ハンドメイド販売サイト「Creema」では、出店者向けヘルプページで「書籍を参考にした作品は販売できますか?」とのトピックを掲載。「市販の書籍を参考に作られた作品の販売は、書籍の規定に従って判断してください。※『商用での使用は禁止』等の注意事項が記載されている場合、販売はできかねます」とし、記載がない書籍については自分で書籍発行元に問い合わせるよう呼びかけている。

フリマアプリ「メルカリ」でも、ハンドメイド品の売買に関して「権利を侵害する商品を製作・販売しない」との注意喚起を行っている。

ハンドメイド作家の権利を守る出版社の訴えに、あらためて意識すべきだとするユーザーの声が多く寄せられた。

「これは手芸好きとしてきちんと受け止めなければならない大切な発信だと思います。ハンドメイドしていた時にも、模倣品はたくさんあって、これは良くないよなと思っていました」
「これ大切なことですよね。本にもちゃんとその旨明記してありますし。『商用OK』と明記してある本もあるから使いたいときはそちらを」
「出版社がこうしてはっきりと分かりやすく手芸本の掲載作品の模倣品販売について発信しているのをはじめてみたけれど、営利目的の利用はしないでと本の後ろのページにも昔から記載されてるけど、模倣する人ってそんなとこ読んで無いと感じるので、こうしてSNSで発信してくれるのはとても良いと思う」

一方で、ハンドメイド品の著作権の取り扱いには解釈が難解な部分もあることから、一部からは「本のページを無断転載しないではわかるし、掲載された作品を完コピしたものを販売しちゃダメ、までならまあ納得しなくもないです。手法まで禁じているとしたらそこは無理やろ」「基本と応用と独創性の線引きモヤるやつだ。丸パクリはアウトなのは判るが」など疑問を感じる声も一部であがっている。