大赤斑渦巻く木星の威容 ハッブル宇宙望遠鏡で撮影した最新画像公開
こちらは「ハッブル宇宙望遠鏡(Hubble Space Telescope: HST)」の「広視野カメラ3(WFC3)」を使って2024年1月5日に撮影された木星の姿です。中央左下の大赤斑をはじめとした大小さまざまな渦や、温度・成分の違いによって異なる色に染まった帯状の雲は、木星の大気中でさまざまな活動が起きていることを物語っています。
ハッブル宇宙望遠鏡は2014年から「OPAL(Outer Planet Atmospheres Legacy)」プログラムのもとで木星・土星・天王星・海王星の観測を毎年行っています。OPALプログラムは巨大ガス惑星の刻々と変化する大気の観測を目的としており、この画像も同プログラムの一環として取得された観測データをもとに作成されました。
次に掲載するのは翌日の2024年1月6日にWFC3で撮影された木星です。大赤斑は裏側に回り込んでいて見えませんが、木星の左隣に衛星イオが写っています。イオは木星や他の衛星との相互作用による潮汐加熱(※別の天体の重力がもたらす潮汐力によって天体の内部が変形して加熱される現象のこと)を熱源とした火山活動が起きている活発な天体です。
ハッブル宇宙望遠鏡で撮影した木星の最新画像は、同望遠鏡を運用する宇宙望遠鏡科学研究所(STScI)や欧州宇宙機関(ESA)から2024年3月14日付で公開されています。
Source
STScI - Hubble Tracks Jupiter's Stormy WeatherESA/Hubble - Hubble tracks Jupiter's stormy weather
文/sorae編集部