3月いっぱいで放送作家・脚本家を引退する鈴木おさむ氏の提案が話題を呼んでいる。

 3月17日、『ワイドナショー』(フジテレビ系)に出演した鈴木氏は、3月1日に68歳で亡くなった漫画家鳥山明さんに、「国民栄誉賞を与えてほしい」として、こう熱弁したのだ。

「僕が小学校2年生のときに『アラレちゃん』が爆発的に流行って、中1になって『ドラゴンボール』が始まって大ブレイクするんですけど、20代のときにヨーロッパに旅行したときに、普通におもちゃ屋に入ったら、『ドラゴンボール』のおもちゃがめちゃくちゃ売ってたんですよ。うわさでは『ドラゴンボール』が世界で流行ってるよって言うんですけど、それ見て、本当に流行ってるんだなと思って。

 やっぱりジャパニメーションとか、日本の漫画が世界で流行ってブームだと言いますけど、間違いなく鳥山明先生の作品が背骨になっていたと思う。だから、僕は国民栄誉賞を与えてほしいと思う。国民栄誉賞って、スポーツが多くて。漫画だと(『サザエさん』の作者の)長谷川町子さんだけなんですよ」

 MCの東野幸治から「手塚治虫さんもとってない」と振られると、鈴木氏は「とってないんですよ。固辞したのか分からないですけど。石ノ森章太郎さんもとってない。鳥山明さんのご家族が、固辞するかもしれませんけど。これで鳥山さんにあげたら、僕らの意識もワッ!ってなりますし。漫画家の人たちが……。漫画って、お笑いもそうですけど、ちょっと下に見られてきたものじゃないですか。鳥山明さんに今、国民栄誉賞だっていったら、いろんな夢がここからもう1回、膨らむんじゃないかな」と語った。

 レギュラーコメンテーターの今田耕司が「鳥山明さんの性格って、本当にそういうものに固執しないというか、本当にいらないっていう……」と、辞退する可能性について触れたものの、鈴木氏は「(固辞する)性格かもしれないけど、ここはもらってくださいっていう。後輩たちのために。めちゃくちゃ夢がありますし、みんな満場一致じゃないですか」と、漫画界のためにも受賞してほしいとの持論を語った。

 1992年7月28日、『サザエさん』の長谷川町子さんに国民栄誉賞が授与されたのは、同年5月27日に長谷川さんが心不全のため72歳で亡くなってから、2カ月後。

 鈴木氏が、鳥山明さんに「国民栄誉賞を与えてほしい」と提案したことにSNSでは賛否が渦巻いた。

《まったくそう思います! 日本のみならず世界に勇気を与えた影響は計り知れない!それは同時に「日本」のいいイメージ作りに貢献した。この功績に国民栄誉賞を与えずして何になる!と言うレベル…》

《本当に貢献した方だと思う》

鳥山明先生に国民栄誉賞文化勲章をダブルで送らないと、何のために存在してる賞なのかの根底が揺らぐと思うけど?》

 と賛同する声が上がる一方、漫画家の冨樫義博氏が『幽遊白書』17巻の折り返しで、《漫画用語事典シリーズその(2)か行。》として、《国民栄誉賞→手塚治虫氏が死後に受賞したら化けて出たはずだ。「辞退させてくれ」と。》と書いていることをあげ、否定的な意見も。

国民栄誉賞ねぇ…鳥山先生もコレ(画像)に近い考えをしてそうな気がするし? 遺言、遺族の申し出でも無い限りは…休ませてあげてほしい。少なくとも賞なんて無くても皆が功績を称えてる。偉い人のパフォーマンスに使って良い存在じゃないよ》

国民栄誉賞なんか鳥山明先生が望むわけない!》

鳥山明国民栄誉賞とか似合わないよなぁ、というか国民栄誉賞ってその時の政権与党の人気取りの一つでしかない印象だから嫌いなのよね、それに国民栄誉賞あげるくらいの人なら生きてる時から偉業を成し遂げてる人なのに、死んでから慌てて国民栄誉賞とかあげるのも違う気がする…》

 1992年に長谷川町子さんが受賞した当時の首相は、故・宮沢喜一氏。

 岸田文雄首相は3月11日、自身のXで、宮崎駿監督の『君たちはどう生きるか』、山崎貴監督の『ゴジラ-1.0』が米国アカデミー賞を受賞したことに《心からお慶び申し上げます。》と書き込んだものの、鳥山さんの死去に、言及はない。

 鳥山さんが国民栄誉賞を受賞すれば、漫画家として、長谷川町子さん以来、32年ぶり2人めとなるが、果たして……。