なぜ日本代表の森保監督はヨーロッパで指揮官になれないのか 「欧州の名将たちとやり合えると証明済み」と海外紙が特集
2018年から日本代表を率いている森保一監督。ここまでの73試合で119人の選手を起用し、ドイツやスペインなど世界的強豪を下すなど50勝9分14敗という戦績を残してきた。
そうしたなか、『The Athletic』は、「日本の森保らアジアの監督たちは欧州でのビッグチャンスをいつ掴むのか」という特集記事を伝えている。その内容の一部はこのようなもの。
「アジアサッカー連盟の年間最優秀監督に選ばれたばかりの森保監督。アジアカップで大惨事がなければ、2026年にはW杯2大会で日本男子代表を率いた初の監督となるだろう。2大会でうまくいけば、57歳の彼は日本歴代最高監督であることを強く主張することになるはずだ。
ここでひとつの疑問が浮かぶ。森保監督は多くの教え子たちと同じようなキャリアを歩むことができるのだろうか?
ここにはもっと広い背景がある。ヨーロッパのトップリーグで指揮を執ったアジア人監督はいない。驚くべき事実だが、そうでもない(オーストラリアはアジアサッカー連盟のメンバーではあるが、アジア大陸の一部ではないため、アンジェ・ポステコグルーは除外)。
そう考えると、日本は便利なケーススタディに過ぎない。なぜカンボジアやモンゴルのトップ監督がブンデスリーガやラ・リーガで仕事を得られないのかと問うのは軽率だが、日本はどうか?アジアカップのメンバーリストはすでにヨーロッパと重複する部分が多くある。森保監督は、たとえ一発勝負であっても、ヨーロッパの名将たちと渡り合えることをすでに証明している。なぜ彼が候補にならないのだろうか?」
「(中略)
そのような(欧州から見た日本サッカーへの)不信感を克服するには強い個性が必要だ。メディアのスマートさも。ヨーロッパのほとんどの監督たち(少なくとも成功している監督)は、単なる監督ではなく、自らのPRマシーンでもある。
日本サッカーを注視している人たちは、これが森保監督にとっても、日本の監督全般にとっても、もうひとつの障害になると見ている。
(中略)
スペイン語しか話せないマルセロ・ビエルサ監督がリーズを率いたケースや、ギャリー・ネヴィルやデイヴィッド・モイーズがスペインのクラブを指揮したケースがあるが、必ずしも理想的ではなかった。
欧州のチームにとって、日本人選手を獲得するよりも日本人監督を起用する方がはるかにハードルが高いのはこのためだ。海外でのプレー経験のない森保監督にとって、チャンスは限られたままになりそうだ。彼の洞察力をもってしても、欧州サッカー界に参入する障壁はまだ難攻不落に思える」
森保監督の実績からすれば、欧州でのチャンスに値するが、現実的にはハードルは高いということのようだ。
とはいえ、2026年W杯後にはその去就が大きな注目になるはずだ。