(漫画:©︎三田紀房/コルク)

記憶力や論理的思考力・説明力、抽象的な思考能力など、「頭がいい」といわれる人の特徴になるような能力というのは、先天的に決められている部分があり、後天的に獲得している能力は少ないと考える人が多いのではないでしょうか。

その考えを否定するのが、偏差値35から東大合格を果たした西岡壱誠氏です。漫画『ドラゴン桜2』(講談社)編集担当の西岡氏は、小学校、中学校では成績が振るわず、高校入学時に東大に合格するなんて誰も思っていなかったような人が、一念発起して勉強し、偏差値を一気に上げて合格するという「リアルドラゴン桜」な実例を集めて全国いろんな学校に教育実践を行う「チームドラゴン桜」を作っています。

そこで集まった知見を基に、後天的に身につけられる「東大に合格できるくらい頭をよくするテクニック」を伝授するこの連載(毎週配信)。連載を再構成し、加筆修正を加えた新刊『なぜか結果を出す人が勉強以前にやっていること』が、発売後すぐに3万部のベストセラーとなっています。第95回は英語が苦手な人が、英文をすらすら読めるようになるコツを紹介します。

英語を読むスピードが遅いという悩み


みなさんは、英語を読んでいて「自分の読むスピードが遅い」と感じたことはありますか?

おそらく多くの人は、英語の資格試験の勉強の際に、「うわ、こんな分量の英文読めないよ!」と思ったことも多いのではないでしょうか。

今回は、英文を読むスピードが速くなるテクニックについてお話ししたいと思います。

われわれはInstitution for a Global Society株式会社の英語教材「e-Spire+」と提携しています。

われわれ独自の分析では、英文を読むスピードが速い人は、すべての文を均等な速さで読むのではなく、「どの部分を重点的に読むのか」を理解して、そこに力を入れて読んでいる場合が多いことがわかりました。

そもそもすべての文をいちいち読んでいられませんし、日本語だって文章を全部読んでいるわけでもないと思います。ですから、読むべきポイントをピックアップした読み方をする必要があるのです。

その方法について、漫画「ドラゴン桜」で詳しく説明されています。

※外部配信先では漫画を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください





(漫画:©︎三田紀房/コルク)





(漫画:©︎三田紀房/コルク)





(漫画:©︎三田紀房/コルク)




(漫画:©︎三田紀房/コルク)

いかがでしょうか?ミュージカルのように型が決まっており、どこを読めばいいのかは、あらかじめ予想することができるということでしたね。

そして、その最大のポイントが「トピックセンテンス」でした。トピックセンテンスというのは、文章の中で重要になってくるポイントのことを指します。ここを読むときにスピードをあえて落とすことで、文章全体で何がいいたいのかを理解することができます。

トピックセンテンスを探す

この漫画でも紹介されていましたが、いちばんわかりやすいトピックセンテンスは「疑問提起」と「否定」です。「なぜ、こういうことが起こったのだろうか?」「どうしてわれわれはこういうことをしてしまうのだろうか?」という、質問の形態を取った言い回しのことをいいます。

大抵の場合は「why?」から始まるものであり、「どうしてそうなのか、みなさんはどう考えますか?」というような質問を投げかけます。もちろん著者は答えを知っていて、その後で答えを発表します。

それでも質問をするのは、読者に考えてほしいからです。読者に考えてもらいたいと考えているから、わざわざ質問の形態を取っているんですよね。

逆に言えば、それくらい大事だということを指します。なのでまず「?」と書いているところを確認する必要があるわけです。この答えを探すように読めば、スピードも上がります。

加えて、「否定」も重要です。

「みんなこう思っているけれど、そうじゃないんだ!」「知られていないけれど、これって重要なんだ!」
という、世間一般の常識に対して「NO」を突きつけるような文章は多いです。

だからこそ、否定を使って、その思いを表現することが多くなるというわけです。

日本語で言えば「しかし」とか「だけれども」「だが」などがそれにあたり、英語であれば「But」「Yet」「However」の後には、トピックセンテンスが存在していることが多いです。

このように、「力を入れて読むべき箇所」がわかれば、英文が速く読めるようになります。すべての文をだらだらと読むよりも、力を入れて読むポイントを押さえて読解するほうが、必ず読みやすくなるはずです。ぜひ参考にしてみてください。

(西岡 壱誠 : 現役東大生・ドラゴン桜2編集担当)