掲載:THE FIRST TIMES

写真拡大

■「ずっとこの日を待っていました」(Hana Hope)

【その他の画像・動画を元記事で見る】

17歳のシンガー、Hana Hopeが、メジャーデビュー後初のワンマンライブ『Hana Hope 2023 : The new chapter』を、12月14日に渋谷duo MUSIC EXCHANGEで行った。
定刻19時過ぎ、ライティングが煌びやかに反射するドレス姿で登場したフレッシュなたたずまいのHana Hope。まず会場に鳴り響いたのは「introduction」。続いて、やわらかなシーケンスが耳に優しい「the ace」。四つ打ちビートからはじまるROTH BART BARONが手掛けた「Dawn Dancer」を華やかに歌い紡いでいく。一気に空気がやわらかに暖まっていくフロア。

第一声では「ずっとこの日を待っていました。ありがとうございます!」と挨拶。続いて、芳醇なるメロディと歌声によるハーモニーが神秘的な「HARU」。心にじわっと染みわたり、ワンフレーズごとにドープな高揚が止まらない名曲「sentiment」が響きわたる。

溶け合う心、魂に直接問いかけるような琴線を震わす歌声の素晴らしさ。唯一無二の感動をHana Hopeは繰り広げていく。

上野で開催中のモネ展『モネ 連作の情景』のテーマソング「たゆたう」で歌われる、ゆらゆらうつろう宇宙的世界観にも心を鷲掴みにされた。Hana Hopeが歌詞を発すると同時にイメージは可視化され空(くう)を舞う。支配力の高い、凄まじいシンガーだ。

メジャーデビュー曲となった、ゲーム『Fate/Grand Order』Memorial Movie 2023 テーマソング「flowers」では、アニメシーンを背景にこの日最初のハイライトへ。作曲を、田中隼人が手がけた大名曲。続いて、TVアニメ『はめつのおうこく』OPテーマ主題歌「消えるまで」では、エレクトロなシーケンスとエモーショナルなビートが心に火を沸々と灯していく。

ふたたびMCタイムへ。「実はわたし、ウクレレが好きで習っていて。そのときに知り合ったウクレレプレイヤーのRioくんです」と紹介し「SORA」へ。さらに「わたしは今17歳なんだけど、今しか歌えないから」と、ABBAのカバー「Dancing Queen」をRioの演奏で軽やかに歌唱していく。

ここでひと休み。Hana Hopeの日常を映し出す映像が流れ、衣装チェンジへ。カラフルなワンピースに身をつつみ、高橋幸宏の「X’mas day in the next life」をカバー。さらに、アコギによるカッティングがビートを刻むYMOカバー「cue」を披露。

2人目のゲストとして、ファッショナブルな魅力溢れるロッキンなシンガーソングライター、Doulを迎え、クールにビリー・アイリッシュのカバー「idontwannabeyouanymore」へ。そして、Doul作詞、Yaffleが曲を手がけた「Hello, I am KOE」をプレイ。わかる人には伝わる、感動のコラボレーションなのだ。

ハイタッチしてステージを去るDoul。そして、後半戦へ突入。

美しきメロディに寄せて独白する「きみはもうひとりじゃない」。「それでも明日は」では、エレクトロなサウンドに溶け合うメロウかつ繊細なHana Hopeワールドを展開。「最後のパートになります。こんなに(お客さんが)来ると思いませんでした(笑)。わたしは歌うのが好きで」とゆるふわな雰囲気を醸し出しながら、歌われたのはポップに開かれた雰囲気広がる「We’ve Come So Far」。フロアがより和やかな空気感へ。

突如、アッパーな8ビートが鳴り響き、オーディエンスのハンドクラップとともにライブ感高まる「Leave me blind」では、バンド紹介をしながらソロ廻しへ。至福な、テクスチャーが空間を埋め尽くし、ラストは“これで最後の曲です!”と、今後もHana Hopeの代表曲であることは間違いない極上のポップソング「Your Song」で「みんなも一緒に!」と、最高潮の盛り上がりをみせていく。

鳴り止まない拍手が響きわたり、アンコールに応えて、ギターを抱えて再びステージへ。

告知タイムとして、春に新曲をリリースすることを語り、「flowers」のオーケストラバージョンが『With ensemble』としてリリースされることも告げる。そして、マーチャンダイズ(物販)について「実はわたしは双子で。RITAちゃんが(イラストを)書いてくれています!」とトーク。

ラストは、敬愛するグラミー賞ノミニーアーティストであるboygenius「Not Strong Enough」をまさかのカバー。これがとてもよかった。さらに「16-sixteen」では、ウクレレのRioを再び呼び入れ、シンプルにまっすぐ届く歌声で全19曲を締め括った。2023年末。忙しない年の瀬に、Hana Hopeによる天使のような澄んだボーカリゼーションが清涼感を与えてくれたやわらかなる夜となった。

TEXT BY ふくりゅう(音楽コンシェルジュ)
PHOTO BY 佐藤早苗


リリース情報
2023.11.29 ON SALE
SINGLE「消えるまで」

Hana Hope OFFICIAL SITE
https://lit.link/hanahope