お金のために飛行機を墜落させた米YouTuberに懲役6か月!「極めて稚拙な判断力」
視聴回数を稼ぐために小型飛行機をわざと墜落させた米国のYouTuberに、懲役6か月の実刑判決が下されました。
トレバー・ジェイコブ被告は、経験豊富なパイロットにしてスカイダイバー。2021年11月24日、ジェイコブは飛行機のさまざまな部分にビデオカメラを数台取り付け、パラシュートやビデオカメラ、自撮り棒を装備して空港から飛び立ちました。
飛行開始から約35分後、エンジンが故障したと偽り、墜落する様子やパラシュートで脱出した自分の姿を録画。それから約1か月後にその動画をYouTubeにアップロードしました。その再生数は448万回を突破しています。
しかし、コメント欄ではエンジンを再始動しようとはしなかったこと、不時着も試みていないこと、最初からパラシュートや自撮り棒を装備していることが不自然だという指摘が相次いでいました。
その後、ジェイコブは国家運輸安全委員会(NTSB)に墜落を報告し、墜落場所を知らせることに同意。しかし、残骸の場所を知らないとうそをついたうえ、現場に戻って残骸を切り刻んで破壊し、別の場所のごみ箱に捨てたそうです。
しかも、ジェイコブは墜落についてもうそをついていました。捜査官に対して「飛行機は離陸後すぐに完全に動力を失った」「着陸する安全な場所がないと判断してからパラシュートで降りた」と述べたものの、後にそんな事実はなかったと認めています。
検察は判決メモで「(ジェイコブは)この犯罪を行うにあたり、極めて稚拙な判断力を使ったようだ」とコメント。動機については「ソーシャルメディアやニュースに取り上げられ、金銭的な利益を得るためだった可能性が高い。とはいえ、このような無謀な行為は許されるものではない」と述べています。
しかし、ジェイコブは最長20年の懲役刑も予想されていたものの、司法取引に応じたことで6か月まで減刑されました。これが見せしめとなり、視聴回数稼ぎのために迷惑行為をするYouTuberが減ることを祈りたいところです。
Source:United States Attorney’s Office
via:Ars Technica