「このままでは置いていかれる」阿部新体制の巨人、浮上の”条件”を元コーチが指摘「特別という思いを捨てられるか」

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再建を託された阿部新監督には、様々な面でチーム改革が求められそうだ(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 今オフ、巨人は新たに阿部慎之助新監督が誕生し、球団にとっての大きな転換期を迎えた。2シーズン連続でのBクラスという不名誉な結果から抜け出すべく、新体制で来季の戦いに挑む。

 3シーズン、優勝からも遠ざかっており、若き新指揮官はペナント奪還という重責も担うこととなる。コーチングスタッフの顔触れも一新、現在は秋季キャンプでチームの土台作りを行っている真っただ中だ。

 今季浮き彫りとなったさまざまな課題を今後どう解決し、再び上位を目指すチームを構築していくべきか。かつて、巨人のリーグ3連覇を支えた球界OBからは再起へ向けた持論が語られている。

 来季からのファームリーグ参入内定となった、オイシックス新潟アルビレックスBCを率いる橋上秀樹監督がYouTubeチャンネル『橋上秀樹アナライズTV』を11月12日に更新。その中で、2012年から3シーズン、一軍コーチを務めた古巣の今後について語った。

 橋上監督は「巨人が来シーズン以降で躍進するためには、いくつかポイントがあると思います」と前置きしながら、次のように述べている。

「ジャイアンツ球団にいる(選手、スタッフなどの)人たちが『うちのチームは特別なんだ』という思いを捨てられるかどうかから始まると思います」

 さらに、「フロントを含めて『ジャイアンツは特別』という意識がある。戦力が足りない時にはFAなどでの補強がいくらでもできる、そういう考えがフロントも含め根強かったんです」として、自身の巨人コーチ時代での印象を振り返った。

 その上で「近年は思い通りの補強ができなくなり、かつてのような『FA=ジャイアンツ』という時代ではなくなっています。(これまでのように)いろんな面での補強が進むと思ったら大間違い」と強調。「現有戦力を育成していくことに、より重きを置かなければ、他球団に置いていかれることになるでしょう」と見通している。

 また、巨人再浮上へのポイントとしては他にも、新監督となったことで「チーム内に新しい刺激が生まれます」「選手起用にも若干は変化がみられるはず」と新体制による影響についても言及。さらに選手時代から阿部監督を知るコーチが多く加わった点にもフォーカスし「監督の考えを選手に浸透させるのに時間はかからないのでは」と見解を示している。

 今季の巨人は若手選手の台頭もみられた他、橋上監督の指摘するように指揮官交代によるポジティブな要素も少なくない。それでも今後、Bクラスから這い上がっていくためにはなにより、チーム、フロントなど巨人という球団全体の意識を根底から変えていくことが最重要となるようだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]