景気が悪いせいで、最近の英国では家がだんだん狭くなっているといわれています。でも、北米ではそんなトレンドと異なる動きが起きているようです。

↑こんなキッチンで料理がしたい

 

最近、米国の食べ物サイト・Delishが2024年のキッチンのトレンドについて記事を掲載しました。同媒体は北米のインテリアデザイナーに取材したり、業界団体のナショナル・キッチン・バス・アソシエーションの資料を調べたりして、10個以上のトレンドを見つけていますが、北米の家ではキッチンが拡大しているように見えます。

 

どういうことでしょうか? わかりやすい例を4つ挙げます。

 

1: 裏庭と一体化したキッチン

レストランやバーのように、裏庭やベランダとつながったキッチン空間が人気。大きな窓が付いたドアを開け放つことで、外の空間をキッチンの内側に持ってくるというデザインが面白いです。

 

2: 寝室に侵出するコーヒーマシン

コーヒーマシンを寝室に置こうというアイデア。ホテルのような空間を演出してくれるそうです。小さい子どもと親が一緒に寝ている家庭では少し先の話かもしれませんが、(大人用の)寝室のベッドの横にコーヒーメーカーを置けば、モーニングコーヒーをゆっくり、静かに楽しめるようになるそうです。こんな考え方を含め、コーヒーやお酒といった飲み物を入れるための専用ステーションを設置する需要が拡大しているようです。

 

3: セカンド冷蔵庫がいっぱい

冷蔵庫は必ずしもキッチンだけにあるものではないようです。北米の家では、日本でいうセカンド冷蔵庫として「引き出し式冷蔵庫(drawer refrigerator)」が、子どもの遊び部屋やトレーニング室、書斎などでどんどん設置されているそう。コロナ禍後でホームバーの人気が復活したことも、セカンド冷蔵庫の需要を押し上げているようです。

 

4: 巨大化するアイランドキッチン

いま北米ではアイランドキッチンが熱いようです。小さめのアイランドキッチンを2台設置する人もいれば、その反対に、横長のものを1台提案するデザイナーもいるそう。いずれにしても、アイランドキッチンはどんどん大きくなっており、食卓テーブルに取って代わっているようです。

 

このように、北米の家ではキッチンの空間が拡大しているようです。なぜでしょうか? 自炊が定着したからでしょう。

 

コロナ禍において自宅で料理をする人が世界各国で増えました。2021年に行われたある調査によれば、米国ではコロナ禍が終わっても自炊を続ける人が7割以上もいたそう。家計が楽になったり、健康的な食事ができたり、趣味として料理を楽しむようになったり、さまざま理由が挙げられています。自宅でキッチンが拡大していることは、この自炊トレンドが続いているからと考えられます。

 

日本の一般的な家のキッチンは北米のように広くないかもしれませんが、キッチンを庭とつなげてみたり寝室とミックスさせてみたり、頭の中で思いつくままにアレンジしてみると、ホームクッキングがもっと楽しくなるかもしれませんね。

 

【出典】
Delish. The 12 Kitchen Design Trends You’ll See Everywhere In 2024. October 27 2023