現役女子大生タレント・中川紅葉が考える心地よいエッセイとは?「捻くれててもいいんです」/ココロすっぴん#22
青山学院大学に在学する現役女子大生で、演技やバラエティなどマルチに活躍している中川紅葉さんによるエッセイ連載「ココロすっぴん」。かなりの読書家で、大学生・タレント・インフルエンサーなどのさまざまな顔を持つ彼女が日々感じたことを、忖度なく書き綴ります。
■#22「マザー・テレサってすごい」
精神神経学の授業中、隣に座っている女の子がパソコンで一生懸命ZOZOTOWNを見ている。そう、大学ってこういうところだったと思い出して少し顔がニヤける。後期の授業が始まり、自分史上1番真面目に大学に通っています。お昼まで寝たいがために作った時間割。それなのに15時スタートの授業に間に合わない私。
大学でたくさん声をかけられるでしょうと言われるけれど、今月一度もそんなことはない。そういえば今年に入ってから、大学でほぼ声を発していない。みなさんが想像している5倍くらい、地味な生活を送っています。
授業中にいろんな方のエッセイを読んでいるのですが(講義を聞いてください)、明らかに自分の文章はキラキラが足りていないといつも感じるのです。「ココロすっぴん」には、ポップさとか明るさが圧倒的にない。でも私が読んでて心地良いエッセイは決まってやや暗めで、楽しい話ばかりじゃないなとも思う。
楽しい話はInstagramや Facebookに任せておけばいいじゃない。ちょっとした反省とか嫉妬とか失敗とか、他人の感情なのに、なんとなく自分と当てはまる悪いところを読んで安心する人もいるんじゃないかと思う。そう、私みたいに。捻くれているのかしら。
■今を思い出して「もっとダサかった」って言ってたい
先日、人の課題のために文章を書いてみることがありました。ものを書いている方は分かるかと思うのですが、一度お題に沿って考え始めた後、また1から方向性を変えて書き直そうとすると、どうしても最初の文章に似てしまうことがあります。第三者の文章が頭をリセットして書くきっかけになればいいなと思い、私の文章案を送ってみました。
結局、私の文章は参考になったか分からないし、多分あまり役に立たなかったと思う。もしかしたらありがた迷惑だったかもしれない。そもそも、書いてほしいなんて頼まれてたっけ。そんなことを考えていたら「自分はこの人の役に立てるかも!」と思っていたこと自体、すごく未熟で恥ずかしいことだったと落ち込みました。
それに拍車をかけるように、違う場面で「こちらはそうしてと頼んでないから、辛いならやめていいんだよ」と言われたことを思い出して、“人のためになることをする”の難しさと、私の到達レベルの低さに絶望したりしていました。マザー・テレサってすごいわ。そんな陳腐な感想しか出てこない。
「人のために」って、承認欲求とか自己愛とか、もしかしたらちょっとイタい感情かもしれないけれど。どうせ生きているなら、エッセイを読んでもらえる機会があるなら、書くことを仕事にしているなら、あなたの捻くれている性格を肯定する存在として、私のエッセイを使ってくれますようにと願っています。
来月、「ココロすっぴん」がスタートして1年になります。偽りのない心の内を書きたいと付けたタイトルでしたが、1年経ってやっと少しづつ実現しつつある気がします。去年の私はまだちょっとカッコつけてたな、ダッサー!
来年も、今を思い出して「もっとダサかった」って言ってたいな。
■【ヒトコト】
「落ち込んだ時どうやって立ち直りますか?」という類の質問を今年だけで6回はされてる。毎回「寝て忘れます」とか答えていた気がします…が、そんなの寝ても忘れねえよ!!!と最近思います。
切り替えが早いでお馴染みの私ですが(そうなの?)、切り替え成功となるまでの道のりで何度も崩壊しそうになる。先日は、1週間連続で悪夢を見ました。しかも妙にリアルで、本当に地獄。起床と同時に慌てて携帯を見て安堵するルーティーン。
最近見つけた“落ち込んだ時の対処法”は、もうどうしようもないので考えないようにゲームを1人で楽しむこと。それと、無心でいられるように映画やドラマ、本を読みまくること。少しでも、みなさんの重荷が軽くなりますように。
(p.s. きっと1人の夜を乗り越えてきたんだろうな。そんなシンパシーを感じるから、私は本を読む人が好きです。)
<衣装協力>
オーバーオール 3,850円/原宿シカゴ竹下店 タンクトップ、ビーチサンダル/スタイリスト私物