自分で望んだ書斎を夫が使わない。家づくり、どうするのが正解だった?
夫のたっての希望ということで、2階の一角に書斎がある家を建てた日刊住まいライター。しかし、実際に暮らし始めると、夫がほとんど書斎を使わないという事態に。1階LDKの居心地がよすぎたこと、また、ライフスタイルの変化が、家族にどんな影響を及ぼしたのか詳しく語ります。
夫が唯一希望したのは、専用の書斎をもつことだった
2年半前にハウスメーカーで注文住宅を建てた筆者。夫と4歳の子どもの3人で暮らしています。この家では、夫のたっての希望で、「夫専用書斎」をつくりました。
わが家の1階LDKの面積は約23畳です。その一角にはスタディースペースがあります。将来子どもがここでも勉強できるようにと想定して、考えた間取りです。
ちなみに、夫の仕事はリモートワークができない職種。ですが、夜間や休日の勉強会や会議などが多く、家の中でもパソコンを使う機会がよくあります。
一方の筆者も、家づくり当時の職種は、リモートワークができない類のもの。そのうえ、記事を執筆するような仕事をするとはそのとき思わず、自分の書斎は不要、つまり、夫専用の書斎で問題ないと考えたのです。
また、家づくりで夫が唯一欲しいといったのが、「自分専用の書斎」だったこともあり、筆者としても実現してあげたい気持ちがありました。
しかし、実際に2年半住んでみて、後悔する点も。率直に語っていきます。
パソコン作業に特化した最小限の書斎に
パソコン作業をするという目的のみだったので、書斎の広さは最低限の間取りとしました。約1.8畳ほどのスペースです。
書斎があるのは2階の端の位置。できるだけ主寝室と離して、夜でも気兼ねなく使える間取りにしています。ただ、この「端にある」というのがのちに問題に。1階LDKから、移動が面倒なのです。
内装はいたってシンプル。ハウスメーカーに造作のデスクと本棚をつけてもらい、イスだけわが家で購入しました。デスクの幅は150cm、奥行き50cm。
夫専用の場所だからこそ、床材や壁紙などの選択は夫にすべて任せました。
スタディースペースが便利過ぎて、夫が書斎に行かない
LDKの一角がスタディースペースだったこともあり、家を建ててから、ここに置くためのデスクトップパソコンを購入したわが家。筆者が調べ物をしたり、子どもが動画を見たり。
家で長く過ごす場所にあるわけですから、「ちょっと使いたいな」と思ったときにさっと利用できてとても便利です。すると、夫もこのデスクトップを使うようになりました。
本来夫は、自分のノートパソコンを2階の書斎で使うところなのですが、わざわざ移動してまで使うのが面倒な模様。ちょっとしたWeb会議やメールチェックなどは、このデスクトップでこなしてしまう習慣になりました。
そんなわけで、リモートワークがない夫は、書斎を使うことがほとんどなくなってしまったのです!
夫の代わりに筆者が書斎を使う機会が増えた
一方で、家づくり当時には思いもしなかった、自宅でパソコンを使って仕事をする機会が増えた筆者。日中、仕事はほぼリビングのスタディースペースで行っています。
ただ、わが家のLDKはオープンな間取り。Web会議(筆者は、オンラインで講師もしている)をする場所としては、向いていません。ですので、大切な会議は、夫の書斎を使うようになりました。
ただ、ここで問題が…。書斎は最低限の広さでつくっています。デスクの幅はありますが、奥行きがあまりないので、パソコンを操作しながらメモをするときなどが不便です。
なにより、デスクトップパソコンを2階へ移動するのは、筆者にとってなかなか大変な作業です(筆者は自分専用のパソコンを持っていません)。
インテリアを夫に任せたこともあって、少々雰囲気も男性っぽい? オンラインで筆者がレッスンをする場所にしては、少し硬いことがちょっと気になります。
こんなことなら、1階にスタディースペースと2階に夫専用書斎をつくるのをやめておけばよかった? 代わりに、「LDKに隣接した、半個室空間の夫婦兼用ワークスペース」がある間取りにしておけば正解だったのかも?
後者なら、サッとパソコンにアクセスしやすい環境はそのままに、コストが削減できました。そのうえ、夫婦でフレキシブルに使えて、便利な気がしています。
ライフスタイルの変化で、部屋の使い方は変わる
家は基本的に何十年も住むものです。ですが、数十年先の生活なんて予想できるわけはありませんし、思ってもいなかった変化もたくさんあるもの。現時点で家づくりのときからだいぶ変わっていますが、このあと数年たっただけで、もっと変わるかも?
用途が変わっても、状況に合わせて使い続けられる間取りにすることが大事。「専用」「最小限」を重視した書斎づくりをきっかけに、そう気づいた筆者でした。