良いの? トラックの「荷台に人が乗る」のは違反じゃない? 田舎で見かける光景だが… 事故で注目される「条件」 とは

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クルマの荷台に乗ってもいいの? OKな状況とは

 2023年8月、群馬県片品村において17歳の男性が走行中の軽トラックの荷台から転落して死亡する事故が発生しました。
 
 この事故では転落した男性のほかにも荷台に人が乗っていたと報じられていますが、軽トラックの荷台に人を乗せることは法律上認められているのでしょうか。

トラックの荷台に人が乗っても良い条件とは?(画像:Photo ACより)

 今回の事件で警察は運転していた23歳の消防士を過失運転致死の疑いで逮捕しています。

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 警察の調べによると、亡くなった男性と消防士は親戚関係にあったほか、事故当時ほかの親戚も一緒に軽トラックの荷台に乗っていたとみられています。

 田舎の方では軽トラックの荷台に複数人が乗っている光景を見かけることもありますが、軽トラックの荷台に人を乗せるのは法律上認められているのでしょうか。

 結論からいうと、荷台に人を乗せることは原則禁止されているものの、一部例外があります。まず、道路交通法第55条第1項では以下のように規定しています。

「車両の運転者は、当該車両の乗車のために設備された場所以外の場所に乗車させ、又は乗車若しくは積載のために設備された場所以外の場所に積載して車両を運転してはならない。」

 荷台は本来人を乗せるスペースではないため、基本的に乗ることが禁止されています。しかし、条文では以下のように続きます。

「ただし、もっぱら貨物を運搬する構造の自動車で貨物を積載しているものにあっては、当該貨物を看守するため必要な最小限度の人員をその荷台に乗車させて運転することができる。(条文を一部抜粋)」

 つまり、貨物自動車に積載している荷物が倒れたり、落下したりしないように見張る目的で最小限の人数を乗せることは法律上可能です。

 さらに出発地の警察署長が許可している場合も、荷台への乗車が認められます。道路交通法第56条第2項では、次のように規定しています。

「貨物自動車の運転者は、出発地警察署長が道路又は交通の状況により支障がないと認めて人員を限って許可をしたときは、前条第一項の規定にかかわらず、当該許可に係る人員の範囲内で当該貨物自動車の荷台に乗車させて貨物自動車を運転することができる。」

 新潟県警察のホームページ内にある「制限外積載・設備外積載・荷台乗車許可申請手続き」によると、荷台への乗車が許可される範囲については「祭礼行事等のため荷台乗車を行う場合等、社会通念上やむを得ないと認められる場合」と掲載しています。

 たとえばお祭りで軽トラックの荷台におみこしや太鼓、人などを乗せて街を回るケースなどは認められるといえるでしょう。

 とはいえ、同ホームページでは人の荷台乗車を許可する基準として「車両が大型から軽四までの貨物自動車であること」や「荷台に座れる範囲かつ必要最小限度の人員であること」。

 さらには「貨物を積載した車両の場合は、貨物の倒壊、転落などの危険防止措置が完全であり、かつ荷台の余剰部分に座れる範囲で必要最小限度の人員であること」などを定めています。

 単純に「お祭りだからOK」というワケではなく、クルマの構造や荷台の安全設備など一定の基準を満たす必要があるのです。

 荷物の見守りや警察署長に許可をとった場合以外で人を荷台に乗せていると、罰則として5万円以下の罰金になるケース。

 または「乗車積載方法違反」として反則切符を切られ、違反点数1点、普通車で反則金6000円が科せられる可能性があります。

 そのほか自衛隊では、自衛隊法の規定によってトラックの荷台に人を乗せて走行することができ、陸上自衛隊でポピュラーな6輪タイプの「3 1/2トントラック」(通称「3トン半」)の場合、荷台の乗車定員が22名、「3 1/2トントラック(長)」の場合は24名などと決められています。

自衛隊では、自衛隊法の規定によってトラックの荷台に人を乗せて走行することができる

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 人をトラックの荷台に乗せることは原則禁止されていますが、荷物の見張りや警察署長の許可を得たときなど一部例外も認められています。

 しかし過去には荷台から人が投げ出されて死亡する事故も発生しているため、安全対策をとらず安易な気持ちで乗るのはやめましょう。