ChromeOSでブラウザとOSを分離する計画「Project Lacros」が一般向けにリリース間近か
Googleが長年進めてきたChromeOSとChromeブラウザを分割するプロジェクト「Project Lacros」が間もなく一般向けにリリースされるようだと報じられました。
ChromeOS 116 may begin the Lacros browser push to Chromebooks
https://www.aboutchromebooks.com/news/chromeos-116-may-begin-the-lacros-browser-push-to-chromebooks/
ChromeOS is splitting the browser from the OS, getting more Linux-y | Ars Technica
https://arstechnica.com/gadgets/2023/08/google-is-finally-separating-chrome-from-chromeos-for-easier-updates/
Googleによれば、ChromeOSではシステムUIとウェブブラウザは同じバイナになっていたそうです。そこで、ChromeOSのLinux部分とChromeブラウザが分割され、それぞれを独立してアップデートできるようになったとのこと。Project Lacrosの「Lacros」は、「Linux And ChRome OS」の略だそうです。
Googleは、システムUIであるLinux部分を「ash-chrome」、ウェブブラウザ部分を「lacros-chrome」と呼んでおり、「Project LacrosにはChromeOSのOS部分の改良も含まれており、LacrosはWaylandのサポートを強化したLinux版Chromeのことだといえます」と述べています。
ChromeOSはグラフィックススタックとして、最初はLinuxの「X11」を、2015年のChromeOS M41からはGoogleが開発した「Freon」を採用していましたが、ChromeOS 116からはWaylandのサポートが強化されることで、再びLinuxのグラフィックスタックを使用することになります。
デフォルトのブラウザはこれまでChromeOS用のGoogle Chromeでしたが、Lacrosに切り替わるとのこと。LacrosはこれまでのChromeOSでも有効化することで使用できましたが、ChromeOS用のChromeとLacrosの両方が表示されたそうです。Chrome関連の話題を扱うブログ「About Chromebooks」は、ChromeOS 116でのコード変更でLacrosがデフォルトで有効になっていたことから、ChromeOS 116から公式にLacrosに切り替わるのではないかと見ています。
IT系ニュースサイトのArs Technicaは、Project Lacrosがデフォルトで有効になることで、ChromeOSのアップデートが簡単になり、古いChromeOSデバイスの寿命が延びるかもしれないと述べています。