4階級制覇した井上尚弥【写真:荒川祐史】

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井上が8回TKOで4階級制覇を達成

 25日に行われたボクシングのWBC&WBO世界スーパーバンタム級(55.3キロ以下)タイトルマッチ12回戦で、挑戦者の井上尚弥(大橋)が2団体統一王者スティーブン・フルトン(米国)に8回TKO勝ち。衝撃の4階級制覇に海外メディアの称賛も止まない。世界で最も権威のあるボクシング専門誌「ザ・リング」は両者の戦いを比較し「フルトンは、拳銃の戦いに豆鉄砲を持ってきたかのように見えた」などとパワー、スピードに明らかな違いがあったと伝えた。

 同誌は「声明がなされた:ナオヤ・イノウエはスーパーバンタム級で最高。さて次は?」との見出しで記事を掲載。井上の8回TKO勝利に終わった一戦を振り返っている。

 序盤の戦いについては「第1ラウンドでは、イノウエはフルトンの様子を見つつ、第2ラウンドでフルスロットルに入り、最大限までギアを上げた」と2回に井上が猛攻を浴びせたことに注目。「この急なシフトチェンジは、最高級のスポーツカーがいとも容易く競争相手を置き去りにするのを見ているかのようだった。これは30歳のモンスターからのミッションステートメントであり、フルトンはそのスポーツカーのヘッドライトに照らされて、ついていけないでいるウサギのように見えた」とその差を指摘した。

 井上がスーパーカー、フルトンがウサギのようであるとした記事では「イノウエのスピードとパワーが彼とフルトンを分けた」と分析。「フルトンはこの日本の卓越したボクサーを止めるための何かをヒットさせなければならなかったが、彼のパワー不足により、それは起こりそうもなかった。より大きな男と見られていたフルトンは、拳銃の戦いに豆鉄砲を持ってきたかのように見えた」と明らかにフルトンがパワーで劣っていたことなどを伝えた。

 井上については「すでに日本史上最高のボクサーだと広く認識されており、今彼はさらなる経歴を確立しようとしている。マニー・パッキャオと入れ替わり、史上最高のアジア人ボクサーの座に就くことは難しいかもしれないが、彼は国際ボクシング殿堂に一発で選ばれるボクサーであり、史上最高の1人になる可能性も十分にあり得る」と絶賛。権威あるリング誌も改めてその実力に注目していた。

(THE ANSWER編集部)