デザイン管理ツール「Figma」とGoogleの教育向け部門「Google for Education」が共同で、日本とアメリカの「K-12」(幼稚園年長から高校3年生まで)に対し、教育用ChromebookでFigmaや同社のホワイトボード共有アプリ「FigJam」に無料でアクセスできるようになったことを発表しました。

Figma & Chromebook expand to K12 and Japan | Figma Blog

https://www.figma.com/blog/building-a-digital-first-future-for-every-student/



Figma Chromebooksパートナーシップ

https://www.figma.com/ja/education/chromebooks/

Figma’s Chromebook program is now available to all US school students - The Verge

https://www.theverge.com/2023/6/21/23768547/figma-google-chromebook-education-program-student-schools

Figmaは複数人で同時にアプリやウェブページのプロトタイプを作成したり、アイデアを共有したりできるデザイン管理ツールで、日本を含む世界中で広く利用されています。2022年6月からはGoogle for Educationと提携し、FigmaとFigjamをを学校教育の現場で用いられるChromebookに無料でインストールできるベータプログラムを一部のアメリカの高校限定で開始していました。

現地時間2023年6月21日にFigmaはベータプログラムを終了し、日本とアメリカのすべての「K-12」が、教育用ChromebookにFigmaのソフトウェアをダウンロードできるようになったことを発表しました。Webベースで実行されるFigmaは、他社製のデザイン管理ツールと比較してコンピューターへの負荷が低いとされており、非常に使いやすいとされています。





教育現場にGoogle for Educationを導入している学校では、管理コンソールを操作することで生徒のChromebookにFigmaを導入することが可能です。また、Google fo EducationによるFigmaの使用は基本的にChromebookに限られますが、個別のクラス単位で申請することでChromebook以外のデバイスを使用している学校でもFigmaが無料で使用できるようになります。

Figmaを教育用Chromebookで使用する様子を示した動画が以下。生徒間でコミュニケーションを取りながらプロジェクトの作成にあたっています。

Students unlock collaborative creativity with Figma and Chromebooks - YouTube

FIgmaによると教育現場にFigmaやFigJamを導入することで、スタンプや付箋、ウィジェットなどのツールを使用して、インタラクティブな学習環境を作り出し、生徒の好奇心や学習意欲を高めることに役立つとのこと。



また、図や画像、テキストなどさまざまな要素を編集することで、生徒にクリエイティブな思考や表現力を植え付けることが可能です。



エモートや音声メモ、投票などの機能によって、生徒が共同作業に参加、発言しやすい環境作りが可能になります。



生徒の編集履歴やページ、バージョン履歴などが確認でき、グループでの進行状況の把握が容易になるとされています。



FigmaはChromebookへの導入について「学生に業界標準の設計ソフトウェアであるFigmaを提供することは、問題解決能力や反復的な思考、他人との共同作業、意志決定の方法の学習など、将来のための基礎スキルを構築するという点で重要です」と述べ、「FigmaのキャンバスとデザインツールをChromebookに導入することで、生徒は自身の作業に没頭し、自らの知識をより視覚的に示すことができます」と語っています。

Figmaは「新型コロナウイルスの流行に伴って何年間もリモートでの学習を行ってきた生徒たちは、人とのつながりに飢えています」と述べ、Figmaの生徒間でつながりを持てるシステムが教育現場に適していることを強調。



さらに従来の授業では学習意欲を失っていた生徒がFigmaを用いることで新たな目的意識を見つけ出し、学習への情熱が再燃した事例があったことを報告しています。Figmaは「FigmaやFigJamのようなツールを学生の段階から導入することで、生徒の教育への関わり方を変化させ、将来に向けた準備をさせることが可能です」と述べています。

その他GoogleはChromeOS上でのPDFファイルのテキスト変換や管理者コンソールのアップデートなどが行われたことを報告しています。