リラックスし過ぎた姿勢ほど負担が集中して痛みを誘発

今シーズンはまだ走ったことのない地方まで、頑張って距離を伸ばしてみたい。
そんなことに思いを巡らせる季節だ。

しかし心配になるのが、ある時間以上走ると腰や手が痛くなるのを経験したライダー。
腰や手だけでなく、太ももの内側、両肩から首まわりも、痛くなると休憩しても乗りはじめてすぐに痛みが戻ってくる。

実は乗車姿勢でやりがちなのが、時間が経つにつれ疲れからダラリと全身からチカラが抜けたフォーム。
リラックスした姿勢は悪くないように思えるがまったく逆で、太もものつけ根や両肩から首まわりに脊椎と骨盤の継ぎ目あたりへ負担がが集中して、疲労感や痛みに鬱血を伴いやすくなるのだ。

痛くなってからでは遅い、
走り出したらすぐ常に5箇所をチェック!

そんなライダーは、イラストにマーキングした5箇所のポイントを常にチェック。
走りだしたらすぐ5箇所を復唱しながら常に意識をしていれば、痛くなるのを未然に防ぐ効果が大きい。
何よりちょっと痛みが気になりだしてから、気がつくと加速度的に痛みが増すあの辛さがやってくるのを遅らせることができる。

なぜそうした違いがあるかというと、各部位で適度に緊張した姿勢づくりを維持したほうが、路面からの衝撃やバイクの加減速による揺さぶりをうまく吸収できるからだ。
とくに脊椎と骨盤の継ぎ目に上半身の体重が集中して載るようにすること、そして下半身のつま先を真っ直ぐ前に向けて膝がダラッと開いてしまわないよう、腰をちょっとだけ引いて膝を閉じた状態にしておくのはかなり大事。

勘違いしやすいのが股間。両足を開き気味にしたほうがラクに思えるため、シートへの着座が徐々に前寄りになりがちだ。
ところがこうなればなるほどお尻で体重を支えなくなり、路面からのショックや加減速の挙動がすべて股間に集中して、鬱血や神経を圧迫して痺れや痛みを伴い、極度の疲労や集中力の欠如という最悪の事態へ陥りやすい。

これらは時間が経って、痛みに気づいてから対応しても効き目はなく、走り出してすぐからこの5箇所を常に意識することで、無事な時間をどんどん延ばすことができる。
せっかくの楽しみにしていたツーリング、そんな最初から気合いを入れた走りに徹しなくても……そう思われるかも知れないが、あの痛みがきてからのどうにもできない辛さを考えれば、あらかじめ未然に防ぐことを考えておく重要性もおわかりになるはず。

疲れや痛みに陥らない転ばぬ先の杖は、
チェックを繰り返してライディングスキルをアップするしかない!

これは長時間や長距離への対応だけでない。いつの間にか左手首で上半身の体重を支えてしまうと、前輪が自然に曲がりやすくなるのを妨げ、進路変更やカーブの曲がりはじめが鈍くなるのは良く知られている。
同様に親指のつけ根でグリップを握るのも、ハンドルのホールドから自由度を奪いやすい。薬指と小指の外側2本で沿うように軽く掴むと、セルフステアしやすく路面からの情報も得やすい。

またプロテクターで、脊椎パッドが転倒時のダメージで下半身麻痺などの障害から身を守るだけでなく、疲労軽減にも効果が大きいのをご存じだろうか?
とくにレース用の大きめの脊椎パッドは、背中で寄りかかることができるため、両腕からチカラを抜けるのと、腰痛や首まわりの痛みを防ぐ効果が大きい。

ジャケットに装着するタイプでも、背中で寄りかかれる効果がある。夏場は暑そうに思えるが、レース用の本格タイプも衝撃吸収のスペースを利用して通気性を確保してあるので意外なほど快適。
腰痛で悩んでいる方にはお奨めだ。
リラックスした心と、チェックしながらのフォームで、バイクライディングを長時間楽しめるスキルを身につけよう!

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