ダイエットには筋トレと有酸素運動が効果的!プロが監修するおすすめメニュー付き

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ぽっこりお腹や二の腕のたるみ、下半身太りなど、体の悩みは人それぞれですが、ダイエットが長続きしないのは共通の悩み。

自重トレーニングメソッド「へやトレ」の生みの親で、およそ16,000人以上の個別指導で結果をもたらしたオンラインフィットネスのトレーナーが、食事制限やジムに通うことなく、誰でも無理なく手軽に理想の体型を手に入れることができるダイエット方法を伝授してくれました。

 

<識者紹介>

ボディデザイナー 森 俊憲(もり としのり)さん

大学卒業後10年間、京セラで移動体通信のマーケティング、携帯電話事業会社「ボーダフォン」にてアプリ開発を担当する部署などで勤務。在籍時から筋トレには興味があり、当時はまだ一般的ではなかった自重トレーニングなど、自宅で手軽にできる筋トレをホームページで立ち上げるとアクセスが増加。筋トレの需要やこれから先はスマホがパーソナルなゲートウェイになるという確信性から独立し、オンラインフィットネス専用の会社・ボディクエストを2007年に設立。オンラインフィットネスのトレーナーとして個人のボディデザインサポートのほか、企業向けの健康指導も行う。

ダイエットのためにすべき運動とは?

ダイエットと聞くと、食事制限やジムに通ってのハードなトレーニングをイメージしますが、食事制限なし、しかも自宅で手軽に、空いた時間を使って効果的にダイエットできるのが自重筋トレと有酸素運動の組み合わせです。

有酸素運動とは、筋肉への負荷が比較的軽い運動のことで、ウォーキングやジョギング、エアロビクスダンスなどが当てはまります。一方、筋トレとは、筋肉に負荷をかける運動です。

筋肉の強化を目指す筋トレ(=無酸素運動)は自宅でも行え、短時間でも継続することで筋肉量を増やすことが期待できます。そして、ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動は脂肪燃焼効果が期待できます。

「ダイエット=減量だと思っている人が多いですが、それは間違い。体重が変わっていなくても、20歳の頃と比べたらお腹まわりとか緩んでませんか?

肥満は単に体重が重いことではなく、体についている脂肪が余った状態なので、体重に変化がなくても肥満になることがあるんです。

また、体重だけで管理すると、加齢に伴って筋力が減っていることに気付きにくくなります。

ダイエットは、ただ単に減量するという考え方だけだとげっそり痩せてしまう。筋肉もついていないとかっこ悪いですよね。ダイエットは体重の数字よりも体つきを見てほしいと私は思います。」(森さん)

脂肪燃焼には筋トレ→有酸素運動の順番がおすすめ

運動不足や加齢によって細くなった筋線維を太くする筋トレ。無理なく続ければ成果が期待できますが、頑張りすぎると逆効果になります。

「筋トレは、筋肉の『超回復』というメカニズムを活用するため、ある程度頑張って筋線維を壊し、回復を待って、また壊すという繰り返しでより強い組織を作ります。

そのため、回復までのインターバルを取らずに続けると、ただ筋線維を壊すだけになってしまいます。」(森さん)

そこで、筋肉の回復を待つまでの間に脂肪を燃やす有酸素運動を適度に取り入れることで相乗効果が生まれます。

「筋トレと有酸素運動を同じ日に行う場合は、筋トレを先に行ってください。この順番は絶対です。先に有酸素運動をすると疲れてしまって筋トレができません。

筋トレのほうが体力が必要なので、先にしっかり筋トレを頑張って、その後の余力で有酸素運動を行いましょう。」(森さん)

また、筋トレを先に行うことで、交感神経を刺激して脂肪を分解する働きを持つ基礎代謝も上がり、脂肪燃焼効果が高まった状態で有酸素運動に取り組めば、より高いダイエット効果が期待できます。

どんな有酸素運動をしたら良いのか?

ここでは、おすすめの有酸素運動を6つ紹介します。生活スタイルや好みなどに合わせて、好きなものを選んでください。

ウォーキング

ジョギングよりも体への負荷が少なく、運動が苦手な人でも気軽に始められます。しかし、ただのんびり歩くのではなく、背すじを伸ばし、歩幅も広くして速めに歩きます。

ジョギング

息が上がるようなペースではなく、軽く会話ができる程度でゆっくり走ります。体への負荷が高いため、運動に慣れていない人はウォーキングから始めましょう。

踏み台昇降運動

家でもできるお手軽運動。10~20cmほどの台を用意して、昇り降りを繰り返します。正しい姿勢で、脚を大きく上げて行うとより脂肪燃焼効果が高まります。

エアロビクスダンス

アップテンポな音楽に合わせてダンスをすることで、自宅でも楽しみながらカロリーを消費できます。動きに関しては、動画共有サイトを活用するのも良いでしょう。

サイクリング/フィットネスバイク

景色を楽しみながら行えるサイクリング。ギアを軽くしてこぐ回数を増やせば運動量が増加します。フィットネスバイクは自宅用のものも市販されているので、家トレも可能です。

水中ウォーキング

膝や腰への負担が気になる人におすすめ。泳ぐのが得意でなくても、水の中で歩くだけでもOK。水圧で陸上よりもカロリーを消費し、血流が促されるため代謝アップにも効果が期待できます。

「ウォーキングなら速足で30分程度、ジョギングだったら30分~1時間。どの有酸素運動も三日坊主にならないよう、無理せず継続することがダイエットの最大のポイントです。」(森さん)

どんな筋トレをすれば良いのか?

ここでは、おすすめの筋トレを4つ紹介。胸や背中、お腹など大きな筋肉がある場所に効果がある運動がおすすめです。

シットアップ

いわゆる「腹筋」のこと。仰向けに寝て両膝を立て、両手を頭の後ろで組んで上体を床と垂直になるまで起こし、元の体勢に戻る。お腹まわりだけでなく、太もも前面の大腿直筋なども鍛えられます。

スクワット

脚は肩幅ぐらい、つま先はやや外向きに。背中を丸めずに膝を曲げて腰を落とし、膝を90度になるまで曲げたら元の姿勢に。太ももなど下半身だけでなく、腹筋や背筋の強化にも効果的です。

バックエクステンション

うつ伏せに寝て、両手は頭の後ろか前に伸ばし、ゆっくりと上体を反らして顎を上げ、背中の筋肉を収縮させて元に戻ります。背中を引き締めることで姿勢も良くなります。

プッシュアップ

いわゆる「腕立て伏せ」のこと。うつ伏せから両方の手のひらとつま先を床につけ、頭・肩・腰・膝が一直線の姿勢をキープして肘の曲げ伸ばしを行う。腕ではなく、主に大胸筋が強化されます。

眠れる身体機能を呼び覚ますパフォーマンスアップ筋トレメニュー

今回は、個人のボディデザインサポートを行う森さんに仮想ユーザーを設定し、効果的な筋トレを解説していただきました。

◎ユーザーA

30代後半/男性 身長175cm、体重83kg 目標:健康のために痩せたい。見た目もあるけど、年齢のせいか体の調子も悪くなってきた。

「40歳を過ぎてから自分の体をケアする時間的余裕がなくなってきたというケースがとても多いです。実際に筋力維持運動を続けていないと、体力がガクンと目に見えて落ちてきます。

例えば、身支度をする際に『立ったままで靴下が履けなくなった』『子どもの運動会で前のめりにこけてしまった』『ゴルフの飛距離が落ちてしまった』など。

やはり体力的、筋力的な持久力というものは、加齢に伴って少しずつ低下してきます。筋肉量は自然と減少していきますので、健康やパフォーマンス維持のためにも、運動による適度な筋力強化はやはり不可欠です。

しかし、急に現状の体力以上の動きをすると体を痛める可能性があるため、ほんのちょっとの頑張り程度の動きから始めることをおすすめします。」(森さん)

ニーホールドランジ

運動不足が続くと、最も大きな筋肉である下半身から筋力が弱っていきます。また、体幹が弱まると姿勢が悪くなり、老け込んで見えるので要注意。

そこで、この「ニーホールドランジ」で筋力の底上げと体幹強化を図りましょう。やってみると全身が伸びて気持ち良いですよ。

背すじを伸ばし、姿勢を整えたら片方の膝を抱えます。

勢いを使わずにゆっくりと、抱えていたほうの脚を真後ろへ伸ばしていきます。

前の膝が90度曲がるところまで足を遠くの床にゆっくりと下ろし、両手は天井に伸ばします。一呼吸置いたら最初の姿勢に戻ります。

この動作を繰り返し、反対側も同様に行いましょう。

【ポイント】

最初の姿勢でバランスが取りにくい場合は、軸足の膝を軽く曲げ、重心を低くしバランスを取りましょう。また、お尻が後ろに落ち、背中が丸まらないように注意してください。

【実施の目安】
左右それぞれ、連続して10~15回行います。

ツイストレッグエクステンション

椅子に座ったままでウエストの引き締め効果を期待できるのが、この「ツイストレッグエクステンション」。

この種目で意識するのはひねり動作です。背すじと上げた脚を伸ばした状態で行うことで、短い時間で効果的にウエストを刺激してくれます。

椅子に浅めに座った状態で、両手をクロスして胸につけます。

背すじを伸ばしたまま、上体をウエストから大きくひねり、同時にひねった方向の片脚の膝を伸ばしていきます。

【ポイント】

反動や勢いを使わずにじっくりと行いましょう。 ひねりの動作と脚を上げる動作をスムーズに連動させましょう。

【実施の目安】
左右それぞれ5回程度行います。

これらの筋トレを行った後に、自分の好きな有酸素運動をするとさらにダイエットの効果が見込めるでしょう。

運動で効果的にダイエットするために知っておきたいポイント

ここでは、運動で効率的にダイエットをするためのポイントを4つ紹介します。

目標を決める

「かっこよくなりたい、体力をつけて仕事が踏ん張れるようになって年収を上げたいとかでも何でも良いんです。そういう目標を決めることで自分のなかでモチベーションの持ち札が増えます。」(森さん)

運動するなら食後がおすすめ

「食後すぐは消化の問題もあるので、食事から1時間くらいは時間をおいてください。1日のなかで最も効果的なのは、交感神経が活発に働いて代謝がアップする午後2時~5時の間が一番良いと言われています。

2番目は朝で、出勤前に運動すると代謝が上がった状態が夕方まで続きます。無理なく続けるためには最も都合の良い時間を決めて、そこがエクササイズタイムだというのを体に覚えさせれば効果も上がります。」(森さん)

隙間時間を活用する。1回10分でも効果がある

「運動習慣のない人に、いきなり有酸素運動もマストにすると続かないことが多いです。手軽さで無酸素運動を続け、手応えを感じた次の段階として、筋肉を休ませる超回復の隙間時間に1回10分でも良いので有酸素運動を取り入れましょう。」(森さん)

2~3日に1回のペースでもOK

「筋トレは最初から詰め込みすぎるのではなく、2~3日に1回のペースでOK。やってみて、もう少しできるかな、もう少し効果が欲しいかな、と思えば増やせば良い。一番のポイントは長く続けることです。」(森さん)

 

長く続けることを大前提に考えて、無理のないタイミング・時間・方法を自分のやれる範囲で続けるのがダイエットのコツです。

効果が実感できれば、もう少し運動の頻度や時間を増やしていけば良い。そんな足し算思考のダイエット、皆さんもぜひ楽しんでみてください!

 

撮影/我妻慶一
文/マイヒーロー
編集/GetNavi web