きっと、これがタイミング。50代、あって当たり前なものを手放すきっかけ
50代になって、夫婦ふたり暮らしとなったライフオーガナイザーの田川瑞枝さん。惰性でずっと使い続けていたものを、ちょっとしたことがきっかけで、手放す機会がいくつかありました。実際に手放したものと、その経緯を紹介。
掛け時計は、電池ぎれをきっかけにやめることに
わが家のリビングにある掛け時計。結婚のお祝いにいただいたもので、すでに30年以上使っています。
同居していた子どもたちが小さかったときは、家族全員がひとつの時計で時間管理をしていました。お出かけの際も、「(リビングの)時計が9時になったら出発するよ」といった具合です(その割に、この掛け時計、意外と時間がズレるので、管理が面倒でしたね)。
ところが近年は、掛け時計で時間を確認することが、ほとんどなくなりました。スマートウォッチやスマホなど、個人所有のデバイスで時間管理するようになったからです。
そんな掛け時計、ふと見ると、いつの間にか時計がとても遅れていました。電池ぎれかも? もう寿命なのかな? もし電池ぎれなら、電池を購入することになります。
夫婦で話し合った結果、ほとんどオブジェと化している時計のために、わざわざ電池を購入することはやめることに。これをきっかけに、時計を壁からはずすことにしました。
あって当たり前だったリビングの時計がなくなると、すっきりした印象になりました。
カレンダーはスマホでスケジュール管理
子どものいる家族で暮らしていたときは、カレンダーも共有していました。それぞれのスケジュールを記入し、家族全員が把握するために、大型のカレンダーを使っていたこともあります。
学校の行事、習いごと、病院の予約…。忘れては困るスケジュールを、みんなカレンダーで確認していました。
子どもたちが独立し、夫婦ふたりになると、それぞれの予定は口頭で確認できます。自分の予定はスマホや手帳で管理。となれば、小さな卓上カレンダーで十分。これをワークスペースに置いておけば、場所とらずです。
家族のスケジュールを把握する必要がなくなったことがきっかけで、リビングからカレンダーをはずしました。おかげで、すっきりとしたリビングに。
ティッシュボックスはポケットティッシュに変更
ダイニングテーブルの上に置いてあるものの代表に、ティッシュボックスがあります。
わが家もご多分に漏れず、それこそいろんな目的で使うため、置いていました。この習慣を、家族が減ったことで見直しました。
きっかけは、夫が鼻炎で鼻をかむ回数が増えたとき。やわらかい素材のティッシュがいいと、夫が自室用に別途購入したことです(特売の安いティッシュは鼻が赤くなるそう)。
筆者ひとりしか使わないのに、リビングに大きなティッシュの箱を置き続けるのも…。そこで、見直すことに。
大きな箱をやめてミニサイズに変更しました。100均のポケットティッシュサイズのケースを利用して管理。これをキッチンカウンターに置き、テーブル上に置くことをやめました。
なにもないテーブルの上はすっきりしますね。ふき掃除をする際も、スムーズです。
冷蔵庫の前にメモを貼るのをやめた
最後の話は、ものを手放すというよりは、「習慣を手放す」といったほうが正しいかもしれません。
わが家の冷蔵庫の扉。つい、メモをペタペタ貼ったり、記入待ちの子どもたちのプリント用紙などをマグネットで止めたりするための定位置となっていました。
でも、そうした紙類は今、ありません。
ふたり暮らしになって、冷蔵庫を小型なものに買い替えたことがきっかけで、メモすらも貼るのをやめました。
冷蔵庫の表面、じつはマグネットがつかない素材なのです。マグネットが使えないとなると、貼りつけるのも面倒。それに、小型の冷蔵庫なので、目線のかなり下にメモを貼りつけることになり、見にくいのです。
というわけで、冷蔵庫の見た目はすっきりすることとなりました。
子どもたちと暮らしていたときは必要だったけれど、夫婦ふたり暮らしだと不要になるものはたくさんあります。そして、意外なことをきっかけに、ものを手放す決心が生まれるものです。「きっと、これがタイミングなんだ」とその状況を受け入れ、手放すことに抵抗しすぎない。50代からの暮らしには、そんな柔軟性も大切なのだと思います。