平均寿命が上がり、いつかはひとりになるかもしれない。そんなことを意識する人も多いはず。ブロガーの中道あんさんは、「50代、どうせなら今からひとり時間を楽しんで」とすすめます。その理由を紹介してもらいました。

50代ひとりのすすめ。大きなメリットも

女性の平均寿命は男性よりも長く、世代的にも夫が年上の人も多いので、どうしたって女性の方がひとり残される。だれかと暮らしていてもいずれはひとりになるのです。どうせなら今からひとりを楽しんで豊かな時間を過ごしてみませんか?

私はすっかり大人になった息子と2人暮らしですが、ほぼひとり暮らしみたいなものです。もともとひとりが大好きですが、50代に入りさらにさらに大好きになりました。なんたってだれにも遠慮なく、のびのびと時間を使えるのですから最高です。とはいえ、私がひとりでするには無理な場所もあります。

●やってみたいけれどできないひとり行動

1位 ソロキャンプ(夜が怖い)

2位 ディズニーランド(待ち時間が退屈)

3位 ボウリング(遊びじゃなくて練習になる)

4位 高級レストラン(さすがにひとりじゃもったいない)

5位 離島に旅する(不安)

とくに1位のソロキャンプは男女問わず流行っていますよね。運転免許がないので実際難しいのですが、子育て中はアウトドアが趣味でしたので渓流キャンプをしたい。でもテントでひとり寝ると思うと恐怖心が先に立ってしまい無理です。

自然を満喫するのなら離島のひとり旅も楽しそう。海に囲まれた島での大冒険に憧れる。鹿児島県の屋久島でトレッキングして縄文杉に触れてみたい。とはいえ、ひとりで大自然に触れるのは不安です。現地ツアーに参加して神々しいパワーをだれにも邪魔されず一身に受けてみたいですね。

このようにひとりでするには抵抗がある場所もありますが、意外にひとりで行ってよかった場所もあります。

●ひとりで楽しむ外食

私は食いしん坊ですので、食べたいという欲求に負けてどんなお店でも入ってしまいます。自分ではそれが普通と思っていましたが、「ラーメン店」で女性のひとり客に出会ったことは少ないです。ひとり焼肉では焼いて食べる間が忙しなく、続きませんでした。また、ちょっとお高めのお寿司屋さんのカウンター席。ひとりだとなんだかカッコイイ自分になれた気がして、胃袋以上に気持ちが満たされます。

私は粉もんで育ったと言ってもいい大阪人。お好み焼きはグループでワイワイと食べるものでしたが、26歳で第一子を妊娠中のある夕方のこと。どうしてもお好み焼きが食べたくなり、学校帰りによく行っていたお店へフラフラと入ってみました。これまでとは違うカウンター席に通され緊張。目の前でジュージューと音を立てながら焼いてくれるのをただ静かに眺めて見る。いつもの豚モダンを黙って黙々と、ちょっぴり緊張しながら食べたのがひとりお好み焼きの始まり。
30年以上経ってもよく覚えているのは、お好み焼きを寡黙に食べるなんてありえないからでした。それが今や、焼いている様子をアトラクションのように楽しみ、自分のペースで味わいながら食べるひとりお好み焼きが大好きに。自分で焼かせてくれるお店は手持ち無沙汰にもならず、焼きあがるまでの過程までも楽しめます。

「ひとりは孤独ではないの?」と聞かれますが、他者との繋がりのない孤立とは違い、孤独は「寂しい」というような感情からくるもの。楽しいひとり時間は、幸せな孤独ともいえるのではないでしょうか。ひとりを楽しむためには、ひとりでもできる趣味をもつのも大事です。

●ひとりでできる趣味のおすすめ

おすすめの趣味は読書。とくに小説などはストーリーと自分との対話ですので、孤独感が薄れます。ひとり旅のお供に必ず本を持っていくのはそれが理由。そして、私が日課にしているブログもおすすめです。初めは日記で大丈夫。慣れてきたら、自分のメッセージをだれかに伝える気持ちで書いてみましょう。相手は見えないけれど、きっとそれがぴったりとハマる人が必ずいます。
私がブログを始めた頃は「いいね!」も「アクセス数」も10か20くらいなもので、だれにも影響力を及ぼしていない…。つい凹みがちな場面では見方を変えてみました。子どものとき、クラスに自分の意見を言って20人も賛同してくれたかな? クラスの全員が拍手してくれたことあったかな? そんなことは一度もありません。だったら、「いいね!」してくれた人がたった一人でもなんてすばらしいことなのだと思えたのです。数字だけを見ずに、現実に置き換えてみたらそのすばらしさに気づくはずです。
私たちは、会社と家との往復で一日の大半の時間を使います。ここにブログを取り入れると、会社・家・ブログという3つの点になります。それを線で繋ぐと3角形になり面積ができます。つまり人生に広がりができるのです。それがひとりだけどひとりじゃない世界だと思います。

私は、ブログ発信のおかげで世界中に暮らす日本人と繋がりをもつことができました。

●自分が主役になれる「ひとり起業」

さらに繋がりを深めたものは、ひとり起業です。
起業というと大げさですが、あなたのこれまでの経験や人脈、そして趣味がお金に変わる時代になりました。私も10年間、正社員として働いていましたが、組織のなかでは常にわき役。それを、自分が主役になってするのがひとり起業です。

私の場合は、退路を断って会社を辞めてから起業しました。でも会社員をやりつつ副業で始めても、専業主婦がママ友の繋がりを活用して自宅起業でも、方法はいくらでもあります。というとひとりじゃ不安だから「自分のたりないところ」をもった仲間とやっていきたい。だれかと一緒なら1馬力が2馬力になって、力強い。なんて考えがち。それは言い換えると「仲間がいなくなったら継続できない」ということになります。それでは上手くいきません。起業は自己責任の世界です。ひとりでやるから主体的に生きられるのです。

ひとりの時間にすることで、どんどん自分らしさが育っていきます。だれかと一緒じゃないと寂しい世界から、だれかと一緒でもひとりでも両方楽しめる世界へ。幸せな孤独を生きています。