今度のダイソンは空気清浄機能付きヘッドホン! 実用性はいかに?
吸引力が長持ちする掃除機に羽根のない扇風機……。斬新な家電でワクワクさせるダイソンのファンは多いでしょう。そんなダイソンが5月23日に発売したのが、ダイソン初のウェアラブルデバイスとなる空気清浄ヘッドホン「Dyson Zone」(以下、Zone)です。
「ヘッドホン」と「空気清浄機」の組み合わせとはいかなるもの? プレス発表会にて実際の製品をチェックしてきました。ラインナップとして、スタンダードな「Dyson Zone(WP01 BB)」のほか、付属品が豊富な「Dyson Zone Absolute(WP01 BC)」の2モデルを用意しています。
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Zoneを装着するダイソン創始者の息子でチーフエンジニアのジェイク・ダイソン氏(写真上)と、チーフテクノロジーオフィサーのジョン・チャーチル氏(写真下)。写真のウルトラブル―/プルシアンブルーカラーの「Dyson Zone」は、発売時の直販価格で121,000円
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会場に展示されていた上位モデルの「Dyson Zone Absolute」。スタンダートモデルとカラーが異なるほか、予備用のフィルターやソフトケース、機内用ヘッドホンアダプターといったスタンダードタイプにはないアクセサリーを付属。カラーはプルシアンブルー/ブライトコッパ―。発売時の直販価格は137,500円
○音も空気もキレイにするウェアラブルデバイス「Zone」
ダイソンによると、いま世界人口の半分以上が住んでいるのは都市部。都市部はインフラが充実するなど住むには便利ですが、反面、交通量の多さによる騒音や大気汚染といった問題も存在します。新製品のZoneは、身につけることで都市部ならではの「音」と「空気」の両方をキレイにするという問題解決型の製品です。
高音質なヘッドホンには精度の高いノイズキャンセリング機能を搭載し、気になる環境雑音をしっかりと抑えます。そこに、マグネットで簡単に着脱できる「シールド」をセットすることで、0.1ミクロンの微粒子を99%捕集する空気清浄機としても機能するのです。
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空気清浄用のシールドを装着した状態。サイズは幅240×奥行き210×高さ200mm、重さは670g。ヘッドホン単体だと595gです
今回、実際にZoneを試せました。最初はヘッドホン(シールドなし)として装着してみます。まず感じたのが装着性のよさ。バンド部にはぷにぷにとしたぶ厚い緩衝材が3カ所配置されており、これが頭にしっかりフィットします。シールドをセットすると重さは670gありますが、この緩衝材のおかげかあまり重いとは感じませんでした。
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緩衝材が贅沢に配置されているヘッドバンド部
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耳に当たるイヤーカップ部も、ぷにぷに感触でしっかり耳にフィット。カップ内側にはセンサーがあり、耳から外すと自動的に電源オフになる節電仕様です。バッテリーによる動作時間は、空気清浄機能の使用時で最大4時間、音楽再生だけなら最大50時間
操作ボタンはイヤーカップ後方に1つずつあります。左カップのボタンは電源とエアフローの切り替え用。右カップにはボタン状のジョイスティックがあり、押し込むことで音楽の再生/停止、上下に倒すとボリューム上下、左右長押しで早戻し/早送りです。
実際に操作してみると、このジョイスティックがなかなか使いやすい! 目的のボタンを手探りする必要がなく、直感的に音楽再生を操作できました。
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カップ後方の操作ボタン。ヘッドホンを装着した状態でカップに手を置くと、ちょうど親指で操作しやすい位置にボタンがあります
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Zoneと連携するスマートフォン用アプリ「MyDyson」には、もちろんイコライザー機能も。自分の好みに低音強調といった調整が可能です
Zoneは再生周波数帯域は6Hz〜21kHzでハイレゾ対応ではありませんが、歪みのないクリアな出音が特徴だといいます。標準の設定で視聴してみると、細かな楽器の違いもしっかり聞き取れる繊細なサウンドという印象。中〜高域に厚みがあって、元気やドラマチックというよりは自然でリアルな音に聞こえます。
カップ横を2回タップすると、ノイズキャンセリング機能のオンオフ。Zoneは11個のマイクを内蔵しており、このうち8個のマイクが周囲の音を取得。ノイズキャンセリング機能を有効化すると「アイソレーションモード」になります。アイソレーションモードでは周囲のザワザワとした雑音がほとんど聞こえません。
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カップをタップしてZoneのノイズキャンセリング機能を体験するマイナビニュース +Digitalの林編集長。環境音が80dB近い会場でしたが、ザワザワとした環境音はビックリするくらい小さくなりました(電車内でもしっかり眠れそう……?)
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アプリ画面で現在のモードをチェック。画面はノイズキャンセリング中(アイソレーションモード)で音楽を聴いているところ。水色の線はイヤホン内外の音の大きさを表したものです
Zoneはイヤーカップに緩衝材を配置して耳をピッタリとふさぐため、周囲の音は物理的にも遮断されます。そこで、Zoneはアイソレーションモードを切るとトランスペアレンシーモードに移行。このモードではマイクで周囲の音を拾い、周囲の音を聞き取りやすく調整して耳に届けます。いわゆる「外音取り込みモード」です。
○非接触式で装着感も良好な「シールド」(空気清浄機能)
Zoneが海外発表されたとき、ヘッドホン+シールドという独特の見た目でも話題となりました。Zoneのイヤーカップ内には、静電フィルターとカーボンフィルターを内蔵しています。静電フィルターが0.1ミクロンの微粒子を99%捕集し、カーボンフィルターはニオイや二酸化窒素などのガスを低減。イヤーカフから空気を取り込み、清浄化した空気は口元のシールドから出てきます。
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イヤーカップのカバーを外し、フィルターを取り出してみました。白いプリーツ状のものが静電フィルター。この裏に黒いカーボンフィルターが配置されています。フィルターは約1年で交換を推奨
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空気清浄機能を利用する場合は、シールドをZoneに装着します。マグネット式なので近づけるだけでカチッと装着。手軽に付け外しできましたが、位置関係など多少の慣れが必要です
【動画】シールドをDyson Zone本体に近づけると磁石でパチンと合体。シールドの角度を自分の鼻と口の位置に合わせます。シールドを下げると「会話モード」になって、一時的に空気清浄機能を停止します(音声が流れます。ご注意ください)
シールドを装着したZoneを試着してみたところ……、正直、見た目はかなりの違和感が。映画に出てくるSFキャラクターみたい。
とはいえ、装着感は予想以上に良好。製品写真を見たときは「口元がふさがって息苦しくない?」と思っていたのですが、シールドと鼻・口元の間には意外と隙間がありました。息苦しくない上に、肌に接触する不快感がまったくありません。
筆者はマスクで肌が荒れてしまうのですが、Zoneなら肌に触れることがないので肌荒れの心配もなさそうです。シールド(空気清浄機能)使用時は、口元に優しくフワ〜ッとした微風を感じます。風の具合は弱・中・強のほか、活動レベルに合わせて風量を自動調整するAUTOから選択可能です。
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装着感はとても良いのですが、この見た目で電車に乗るのは勇気がいるかも……?
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シールドを装着した状態を上から見たところ。口とシールドの間に大きく隙間があるのがわかるでしょうか
ちょっと面白い機能が、シールドを下げると自動で移行する「会話モード」です。会話モードでは、送風とノイズキャンセリング機能を停止。Zoneのマイクで会話音声を増幅して、ヘッドホンを装着した状態でも相手の声を聞き取りやすくします。
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シールドを下げて会話モードになった状態
Zoneは「ヘッドホン」と「パーソナルな空気清浄機」のハイブリッドという、ある意味キワモノ的デバイス。ですが実際に体験してみると、音質やノイズキャンセリング性能の高さやヘッドホンをした状態での会話のしやすさ、シールド(空気清浄機能)使用時の快適さ、会話モードの便利さなど、しっかり考えられている製品でした。
ただ、シールド装着時の見た目と、12万円オーバーという価格はなかなか厳しそう。今回のZoneを皮切りに、今後もっと購入しやすい「マスク式空気清浄機」が出てくるか注目したいところです。もしかすると10年後には口元シールド式の空気清浄機が当たり前になっているかもしれませんね。
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東京都渋谷区の原宿 ジング(jing)では、5月24日〜28日の期間でダイソン新製品を体験できるポップアップイベントを開催。会場前には超巨大なZoneも!
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倉本春 くらもとはる 生活家電や美容家電、IoTガジェットなど、生活を便利にする製品が大好きな家電ライター。家電などを活用して、いかに生活の質をあげつつ、家事の手間をなくすかを研究するのが現在最大のテーマ。 この著者の記事一覧はこちら
「ヘッドホン」と「空気清浄機」の組み合わせとはいかなるもの? プレス発表会にて実際の製品をチェックしてきました。ラインナップとして、スタンダードな「Dyson Zone(WP01 BB)」のほか、付属品が豊富な「Dyson Zone Absolute(WP01 BC)」の2モデルを用意しています。
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○音も空気もキレイにするウェアラブルデバイス「Zone」
ダイソンによると、いま世界人口の半分以上が住んでいるのは都市部。都市部はインフラが充実するなど住むには便利ですが、反面、交通量の多さによる騒音や大気汚染といった問題も存在します。新製品のZoneは、身につけることで都市部ならではの「音」と「空気」の両方をキレイにするという問題解決型の製品です。
高音質なヘッドホンには精度の高いノイズキャンセリング機能を搭載し、気になる環境雑音をしっかりと抑えます。そこに、マグネットで簡単に着脱できる「シールド」をセットすることで、0.1ミクロンの微粒子を99%捕集する空気清浄機としても機能するのです。
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今回、実際にZoneを試せました。最初はヘッドホン(シールドなし)として装着してみます。まず感じたのが装着性のよさ。バンド部にはぷにぷにとしたぶ厚い緩衝材が3カ所配置されており、これが頭にしっかりフィットします。シールドをセットすると重さは670gありますが、この緩衝材のおかげかあまり重いとは感じませんでした。
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操作ボタンはイヤーカップ後方に1つずつあります。左カップのボタンは電源とエアフローの切り替え用。右カップにはボタン状のジョイスティックがあり、押し込むことで音楽の再生/停止、上下に倒すとボリューム上下、左右長押しで早戻し/早送りです。
実際に操作してみると、このジョイスティックがなかなか使いやすい! 目的のボタンを手探りする必要がなく、直感的に音楽再生を操作できました。
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Zoneは再生周波数帯域は6Hz〜21kHzでハイレゾ対応ではありませんが、歪みのないクリアな出音が特徴だといいます。標準の設定で視聴してみると、細かな楽器の違いもしっかり聞き取れる繊細なサウンドという印象。中〜高域に厚みがあって、元気やドラマチックというよりは自然でリアルな音に聞こえます。
カップ横を2回タップすると、ノイズキャンセリング機能のオンオフ。Zoneは11個のマイクを内蔵しており、このうち8個のマイクが周囲の音を取得。ノイズキャンセリング機能を有効化すると「アイソレーションモード」になります。アイソレーションモードでは周囲のザワザワとした雑音がほとんど聞こえません。
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Zoneはイヤーカップに緩衝材を配置して耳をピッタリとふさぐため、周囲の音は物理的にも遮断されます。そこで、Zoneはアイソレーションモードを切るとトランスペアレンシーモードに移行。このモードではマイクで周囲の音を拾い、周囲の音を聞き取りやすく調整して耳に届けます。いわゆる「外音取り込みモード」です。
○非接触式で装着感も良好な「シールド」(空気清浄機能)
Zoneが海外発表されたとき、ヘッドホン+シールドという独特の見た目でも話題となりました。Zoneのイヤーカップ内には、静電フィルターとカーボンフィルターを内蔵しています。静電フィルターが0.1ミクロンの微粒子を99%捕集し、カーボンフィルターはニオイや二酸化窒素などのガスを低減。イヤーカフから空気を取り込み、清浄化した空気は口元のシールドから出てきます。
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【動画】シールドをDyson Zone本体に近づけると磁石でパチンと合体。シールドの角度を自分の鼻と口の位置に合わせます。シールドを下げると「会話モード」になって、一時的に空気清浄機能を停止します(音声が流れます。ご注意ください)
シールドを装着したZoneを試着してみたところ……、正直、見た目はかなりの違和感が。映画に出てくるSFキャラクターみたい。
とはいえ、装着感は予想以上に良好。製品写真を見たときは「口元がふさがって息苦しくない?」と思っていたのですが、シールドと鼻・口元の間には意外と隙間がありました。息苦しくない上に、肌に接触する不快感がまったくありません。
筆者はマスクで肌が荒れてしまうのですが、Zoneなら肌に触れることがないので肌荒れの心配もなさそうです。シールド(空気清浄機能)使用時は、口元に優しくフワ〜ッとした微風を感じます。風の具合は弱・中・強のほか、活動レベルに合わせて風量を自動調整するAUTOから選択可能です。
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ちょっと面白い機能が、シールドを下げると自動で移行する「会話モード」です。会話モードでは、送風とノイズキャンセリング機能を停止。Zoneのマイクで会話音声を増幅して、ヘッドホンを装着した状態でも相手の声を聞き取りやすくします。
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Zoneは「ヘッドホン」と「パーソナルな空気清浄機」のハイブリッドという、ある意味キワモノ的デバイス。ですが実際に体験してみると、音質やノイズキャンセリング性能の高さやヘッドホンをした状態での会話のしやすさ、シールド(空気清浄機能)使用時の快適さ、会話モードの便利さなど、しっかり考えられている製品でした。
ただ、シールド装着時の見た目と、12万円オーバーという価格はなかなか厳しそう。今回のZoneを皮切りに、今後もっと購入しやすい「マスク式空気清浄機」が出てくるか注目したいところです。もしかすると10年後には口元シールド式の空気清浄機が当たり前になっているかもしれませんね。
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