「できたてのポップコーンはいかが?」

買い物をしているときに、かわいらしい声で急に呼びかけられたことはないだろうか。

そう、袋詰めポップコーン自販機「ハローキティのポンポンパック」から流れてくる台詞である。

1度そばを通ったらしばらくはその声が頭から離れなくなることでおなじみだが、ツイッター上ではそれが「魔改造」されているという筐体が注目されている。

「福井で見かけた魔改造ハローキティポップコーン
狂ってて好き」

そんなつぶやきと共に動画を投稿したのは、ツイッターユーザーのAllelujah【アレルヤ】(@top__6525)さん。2023年5月13日、福井市にある福井県産業会館で撮影したという映像には、「ポップコーン」とポップな色使いで書かれた自販機が映っている。

中でクルクル回っているのは......え、キティちゃんじゃなくて恐竜!?

作っているのはまさかの......

恐竜たちの首が回る奇妙奇天烈なポップコーン自販機はツイッター上で話題となり、

「夢に見そう」
「晒し首」
「こっちの気が狂うわw」

といった声が寄せられている。

調べたところ、Allelujah【アレルヤ】さんが撮影したポップコーン自販機は「恐竜ポンポンパック」という名前がついている。そして、この自販機を製造しているのはなんと、「ハローキティのポンポンパック」を手掛けている会社だった。

サンリオの100%子会社「ココロ」(東京都羽村市)である。

どうして恐竜のポップコーン自販機を作ったのか。5月19日、Jタウンネット記者は同社を取材した。

「できたてのポップコーンはいかが?」の代わりに...

ココロ社のSR事業部担当者によると、「恐竜ポンポンパック」を開発した経緯にはココロが以前から手掛けている事業が関係している。「恐竜ロボットの製造、イベントへのレンタル業」だ。

同社には福井県立恐竜博物館や北九州市立いのちのたび博物館、英・ロンドンの大英自然史博物館に恐竜ロボットを納入した実績がある。こうした取り組みを行う中で、「恐竜をモチーフにしたポップコーンがあれば、恐竜ロボットをレンタルするイベントへ展開ができる」と考えた。

「恐竜ロボットと恐竜ポップコーン販売機の相乗効果でイベントを盛り上げています」(SR事業部担当者)

「恐竜ポンポンパック」は同社が手掛ける「ぐでたまのポンポンパック」がベースになっている。

3体のぐでたまたちがくるくる回る代わりに、ティラノサウルス、トリケラトプス、ヴェロキラプトルが回転(編注:以下の引用ツイートでは「ヴェロキサウルス」だが、回転しているのは「ヴェロキラプトル」)。キティちゃんのように「できたてのポップコーンはいかが?」と呼びかけてはこないが、センサーで人を感知すると恐竜映画を彷彿とさせる壮大なBGMと恐竜の吠え声が流れるという(※Allelujah【アレルヤ】さんの動画で聞こえる声は、機械の声ではない)。

「恐竜ポンポンパック」は22年7月16日〜9月4日に大阪・ひらかたパークで行われたイベント「大恐竜展 〜生き残りをかけた対決〜」を皮切りに稼働を開始。その後も22年7月22日〜9月4日に大阪南港 ATCホールで行われた「わけあって絶滅しました。展」、そして23年4月21日〜5月14日に福井産業会館で開催された「THE恐竜 in 福井 〜恐竜博物館を飛び出した恐竜たち〜」でも設置された。

現在、常設の「恐竜ポンポンパック」は存在しない。今後、稼働が決まった場合はココロ社のツイッターアカウント(@kokoro_dreams)から情報発信が行われる。