EXILE、GENERATIONS、LIL LEAGUEから総勢17名が出演「#HIROSHIMAミライバトン」レポート
ライブの模様
5月4日、エディオンスタジアム広島で『#HIROSHIMAミライバトン』が開催された。これはG7広島サミット(5月19日〜21日)に先駆けて行われた、最先端のエンタテインメントと音楽ライブを融合した平和の祭典で、国内最大規模のドローンショーや、EXILE、GENERATIONS、LIL LEAGUEなど総勢17名のLDHアーティストによるスペシャルライブショーを開催。EXILE ATSUSHIが作詞を手掛けたG7広島サミットの応援ソング「Reason」などが披露され、音楽の力で未来に平和を繋ぐ熱いパフォーマンスを、15,000人の観客が見守った。
この日参加したのはまずEXILEからAKIRA、TAKAHIRO、橘ケンチ、TETSUYA、NESMITH、SHOKICHI。GENERATIONSから、EXILEも兼任する白濱亜嵐と関口メンディー、そして小森隼、佐野玲於、中務裕太。また、LDH史上最大規模のオーディション『iCON Z 〜Dreams For Children〜』で今年1月にメジャーデビューした6人組 LIL LEAGUEもスペシャルパフォーマーとして登場した。「EXILE TRIBEです!盛り上がっていきましょう!」
TAKAHIROの晴れやかな第一声をきっかけに、1曲目「Rising Sun」からライブがスタート。この曲は東日本大震災の復興支援を目的としたチャリティソングとして2011年にリリースされ、日本中をポジティブなエネルギーで包み込んできた楽曲だ。音楽で平和を願うこの祭典の幕開けに相応しい1曲であり、スタジアムを贅沢に使った躍動感たっぷりのパフォーマンスは胸が熱くなるほど感動的な光景。キッズダンサーたちの笑顔、LDHアーティストたちの熱いパフォーマンスにスタンドからも大歓声が湧き起こっている。そこから曲は「I Wish For You」へ。〈幸せを願う事こそが愛〉〈望むのなら叶うまでDo it all〉など、力強いメッセージが心に響く。今回のイベントは目の前で繰り広げられるパフォーマンスだけではなく、飛び回るドローンがスクリーンに迫力の映像を映し出していて、楽曲の世界観をより壮大な視点からも楽しむことができた。
「いつもありがとう!
もっともっと最高な夜を、心を一つに!」(TAKAHIRO)
客席に向かって笑顔で呼びかけた後、3曲目は<記憶に残る あの瞬間も/乗り越えてきた 今だから/さらに強くそう強く 信じられる>という歌詞が印象的な「VICTORY」。繰り返される〈Hallelujah〉のフレーズが、オーディエンスの祈りを乗せ、天高く舞い上がっていくようだ。エネルギッシュなダンスで客席を魅了し、優しく力強い歌声が広島の夜を包み込んでいく。スケールの大きさとストーリーを感じさせる照明も素晴らしく、ミュージカルの1シーンのように見応えのあるステージだった。
MCでは、まずTAKAHIROが「『#HIROSHIMAミライバトン』、僕たちは音楽、そしてエンタテインメントを通して平和の願いを繋いで、もっと広げていけたらと思っています。今日は出演予定だったATSUSHIさんが、体調不良により多くの皆さまにご心配をおかけしました。ATSUSHIさんの分の魂と想いを背負って、みんなで力を合わせて最高のステージをお届けします!」と挨拶。AKIRAも「G7広島サミットに向け、エンタテインメントを通して、少しでも皆さんが意識を傾けていただけるようなきっかけになればという思いで発信しています。これからもここにいるメンバーだけでなく、たくさんの仲間たちと“Love, Dream, Happiness”を届け続け、子供たちの未来に繋いでいけたらと思います」と語った。
また、TAKAHIROは今回の広島入りの際に、空港内を走るバスで子供に席を譲ったというエピソードを披露。しっかりお礼を伝えるその姿に感動したという話から、「平和というとちょっと大袈裟なテーマって、どこか遠くで作っているような気がするけど、実はすぐ近くにあって、周りの人に優しくしたり、思いやりを持てたり、“ありがとう”や“ごめんなさい”が言えることがきっかけになっているのかなと思った。そういうことをこれからの世代の人たちに伝えていけたら。そんなことを願いながら、G7広島サミットの応援ソング『Reason』を、子供たちの力を借りて、仲間たちと力を合わせて、精一杯の気持ちでお届けします」と話した。キッズダンサーの「イエーイ!」という可愛いリアクションに、客席からはあたたかい拍手が寄せられていた。
ATSUSHIが作詞した「Reason」のレコーディング前、TAKAHIROは広島を訪れ、平和を願う気持ちと、その思いを未来へと繋いでいく覚悟を新たにしたそうだ。また、ライブ前に行なわれた会見で、AKIRAはATSUSHIからメールが送られてきたというエピソードを披露。この曲に込めた想い、子供たちの未来を想う気持ちを仲間たちと一緒に届けてほしいと託されたそうだが、この日のパフォーマンスはまさに、それぞれの祈りや願いがダイレクトに伝わってくるものだった。サビで響く、子供たちの大合唱。LDHアーティストたちの思いがこもった、誇り高きパフォーマンス。間奏で「ここ広島から、日本中、世界中へ、平和の願いを広げていきましょう。大変な時代ですが、当たり前ではない毎日を、この奇跡を、この瞬間を、ともに生き抜いていきましょう」と力強く語ったTAKAHIROの声は、オーディエンス一人ひとりの胸にしっかりと届いたはずだ。
ラストは、イントロを聴いただけで思わず笑顔になってしまうような力を持った「Choo Choo TRAIN」。世代を超え、時代を超えて愛されてきた名曲は今夜も最強だ。スタンドを隅々まで見渡しながら、大きく手を振り続けるメンバーたち。笑顔でアイコンタクトを取り合うメンバーを見ていると、こちらまでハッピーな気持ちになる。EXILE、GENERATIONS、LIL LEAGUE、そしてキッズダンサーたち。幅広い世代の表現者たちが同じステージに立ち、音楽で心をひとつにするその姿は、エンタテインメントという枠を超え、まさに平和を願うからこその最もシンプルなアクションのようにも思えた。
イベントの最後には、「Reason」をバックに国内最大規模となるドローンショーも開催。1000機のドローンが巨大な地球を浮かび上がらせると、客席からはどよめきのような歓声が上がった。楽曲が進むにつれ、次第に形を変えていく美しい光。四角から三角へ、また四角へ……。広島の祈りと願いを込めた大きな折り鶴が完成し、スタジアムはあたたかい拍手に包まれていた。