米アラバマ州オレンジ・ビーチの浜辺に打ち上げられたヒラシュモクザメ。既に息絶えており、巨大なサメに観光客も興味津々だった(画像は『City of Orange Beach Coastal Resources 2023年4月22日付Facebook「An update on the Great Hammerhead has been posted by Mississippi State University Marine Fisheries Ecology!」』のスクリーンショット)

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米アラバマ州のビーチで現地時間20日午後、体長4メートルを超えるヒラシュモクザメの死体が打ち上げられた。死体の状態が良好だったため研究機関に運ばれ、死因の特定などのために解剖が行われた。その際、サメが妊娠していたことが判明し、お腹から40匹もの子ザメが発見された。調査結果の詳細を米ニュースメディア『New York Post』などが伝えている。

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ヒラシュモクザメが打ち上げられたのは、米アラバマ州ボールドウィン郡オレンジ・ビーチの浜辺で、発見時には既に絶命していた。発見者から連絡を受けたオレンジ・ビーチ市沿岸資源局が現場に駆けつけると、そこには体長14フィート(約4.2メートル)の巨大なヒラシュモクザメが横たわっていた。

クレーンを使ってサメを回収したオレンジ・ビーチ市沿岸資源局のスタッフらは、サメの死体がまだ傷んでおらず、非常に良い状態だったことに気付いた。このサメを標本として活用してもらえないかと様々な機関に問い合わせたところ、ミシシッピ州立大学海洋漁業生態学の研究チームが名乗り出た。翌朝にサメの死体を受け取ったチームが調査のために解剖を行うと、このサメは妊娠していることが判明し、お腹の中には40匹もの小さなヒラシュモクザメの赤ちゃんがいたのだ。

サメの死因を特定するため、さらに解剖を進めて各臓器を調べたが、目立った外傷はなく、病気や寄生虫も確認されなかった。研究チームによると、ヒラシュモクザメは他のサメと比較して捕獲ストレスによる生理的負担を受けやすいという。妊娠するとこの影響はさらに強まる傾向にあり、研究チームは捕獲によるストレスが母体の死に繋がったのではないかと推測している。

解剖を終えた死体からは、年齢や出生地などを特定するために椎骨が取り出された。また筋肉組織も採取され、食性の特定のほか、重金属やマイクロプラスチックによる汚染度の調査が行われる。さらにヒレの一部からDNAを採取して分析することで、現在行われている研究に役立てていくという。残念なことに40匹の子ザメは全て死んでいたが、死体は保存加工され、教育目的で地元の教育センターなどに寄贈されるそうだ。

今回のサメの発見は地元メディアなどが報じており、「サメが死んでしまったことは残念だけれど、学びのいい機会になるね」「何が原因で死んでしまったんだろう」「こんなに素晴らしい生き物が命を落としてしまったのは悲しいことだ」「サメと子ザメの死を無駄にせず、しっかりと研究や調査に生かしてほしいね」などといった声が相次いだ。

ちなみに昨年7月には、釣り人のボートに180キロもある巨大エイが飛び込み、4匹の赤ちゃんエイを出産したニュースが話題を呼んでいた。

画像は『City of Orange Beach Coastal Resources 2023年4月22日付Facebook「An update on the Great Hammerhead has been posted by Mississippi State University Marine Fisheries Ecology!」』『Mississippi State University Marine Fisheries Ecology 2023年4月24日付Facebook「What happened?」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)