27日の債券市場で、先物中心限月6月限は小幅続伸。朝方の売りが一巡したあとは持ち直したものの、あすに日銀金融政策決定会合の結果発表を控えて上値は重かった。

 債券先物は売り先行でスタートし、一時147円96銭まで軟化。26日に発表された3月の米耐久財受注が市場予想を上回ったことを受け、同日の米長期債相場が3日ぶりに反落(金利は上昇)したことが影響した。ただ、米金融システム不安などから一段と売り込む動きは乏しく、その後は148円11銭まで切り返す場面があった。もっとも、市場の関心は日銀会合に集中し、模様眺めムードが広がりやすいことから追随買いは広がらず。市場参加者の間では長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)も含めて現行の大規模緩和策が維持されるとの見方が多いものの、同時に公表される「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」で政策修正の兆しがあるかどうかを読み取りたいとする向きが多かった。また、今晩に1~3月期の米実質国内総生産(GDP)速報値や、前週分の米新規失業保険申請件数の発表が予定されていることも動きにくさにつながったようだ。なお、この日は日銀が「残存期間3年超5年以下」「同5年超10年以下」「同10年超25年以下」「同25年超」「物価連動債」を対象とした国債買いオペを実施したが、結果に対する相場の反応は特にみられなかった。

 先物6月限の終値は前日比2銭高の148円06銭となった。一方、現物債市場で10年債の利回りは、前日と同じ0.455%で推移している。

出所:MINKABU PRESS