「脚が太くなる原因」に効く!自宅でできる「脚痩せ」筋トレメニューをプロが解説
男女ともに下半身太りは永遠の悩みの一つ。特に女性にとっては切実な悩みとなっていますが、「『私、脚が太いんです。下半身太りが悩みなんです』と言う人は、まず体幹がとても弱いんです」と指摘するのがプロトレーナーの八木知美さん。
なぜ脚が太くなるのか、そのメカニズムと、「脚瘦せ」のために自宅でできる簡単で効果的な筋トレメニューを教えてもらいました。
八木知美さん
女性専用パーソナルトレーニングサービス『Torana Body Making』の監修者兼トレーナー。3歳から水泳を始め、大学時代はマラソンにハマるも正しい知識もないまま走り続けたため、左股関節を故障。リハビリで始めたヨガやストレッチに精通。18歳からモデルの仕事をスタートし、その後はフリーアナウンサーとして夕方のニュース番組やラジオ番組で活躍。のちにオーストラリアに留学し、スポーツトレーナーの国家資格Certificate III in FitnessとAEDの資格を取得。現在はオーストラリアと日本でヨガやフィットネスを教えると同時に、モデル・司会・ナレーター・日英通訳の仕事などマルチに活躍している。
脚が太くなりやすい/痩せにくい理由
まず、脚が太くなる原因とは何でしょうか?
その一つに、筋肉量が少ないことが挙げられます。脚の筋肉は血液やリンパを流すポンプの働きをしますが、筋肉が衰えるとその働きが弱くなりむくみやすくなるため、脚が太くなってしまいます。
食事制限だけで脚が細くならないのはそのためで、脚痩せには筋肉を鍛えるためのトレーニングが欠かせないのです。また、ジョギングやウォーキングなどの有酸素運動で脚痩せを目指す人もいるでしょう。
有酸素運動は糖尿病や高血圧などの生活習慣病に効果が期待できますが、脚痩せするためには筋トレの3倍の時間が必要になります。
ジョギングはフォームが正しくないと膝や股関節を痛めることもあるので、脚痩せには筋トレが最短ルートとも言えるのです。
また、八木さんは、「『下半身太りが悩みなんです』と言う人に共通するのが体幹の弱さ」と語ります。体幹が弱いことで脚が太くなりやすく、痩せにくくなるとのこと。
「体幹が強い人は、ちょうどコルセットを着けているように、自分の上半身を筋肉で支えられているんですね。しかし、体幹が弱い人は上半身の体重が自分で支えられておらず、その重さが全部下半身に乗ってしまっている状態で生活しています。
寝ている人や酔っ払って全身の力が抜けている人を支えると、やたらと重いのを思い浮かべていただくと分かりやすいかと思います。
そして、ウエディングケーキを思い浮かべてください。あれが逆だったらどうなるでしょうか?安定せず倒れてしまいますよね。“上”よりも“下”が大きくないと安定しないのです。つまり、体幹が弱く上半身の重さが下半身に乗ってしまってる人は、それを支えるために下半身がどんどん大きくなる必要があるのです。
また、体幹が弱い人は姿勢が悪く、前傾姿勢で過ごしていると前ももに筋肉がつきすぎて太く前に張り出してしまいます。脚の筋トレと併用して、体幹のトレーニングをすることが脚痩せへの近道です。」(八木さん)
脚痩せのために鍛えたい部分
筋トレと言うと、ボディビルダーのように「筋肉を大きくするだけ」というイメージを持つ人がいるかもしれませんが、実はそれだけではありません。
筋肉を大きくするために使われることが多い「アイソトニックトレーニング」のほかにも、細くしなやかな筋肉を作っていくため、その場で止まることで負荷をかける「アイソメトリックトレーニング」の2種類があります。
「つまり、ヨガの先生やバレリーナのように、その場で動きをキープできる人たちの脚は細くてきれい。同様に、脚痩せするための筋肉はアイソメトリックトレーニングが向いているので、私はそちらの筋トレの仕方を推奨しています。」(八木さん)
ちなみに、ふくらはぎはそれほど脂肪がつく部位ではなく、太くなるのはむくみによる可能性が高いので筋トレよりもストレッチが効果的とのこと。それよりも、脚が太いと悩んでいる人は、ふくらはぎより圧倒的に太ももが気になるはず。
そこで、今回の脚痩せ筋トレでは、太ももの内側と後ろ側、お尻の筋肉など、普段の生活をしているなかではあまり使わない部分のトレーニングを行います。
脚痩せ筋トレをするときに気を付けるポイント
脚痩せ筋トレの一番のポイントは時間帯。筋肉は1回使うとしばらく脂肪の燃焼が続くので、朝するとその日1日効率良く脂肪の燃焼が続いてくれます。ですから、1日の活動を始める前に行うのが◎。
また、脚を細くしたいのなら、じわじわとゆっくり小さな負荷を長くかけるのもポイント。回数よりも、慣れてきたら少しずつ秒数を増やしていきましょう。
「全身の70%の筋肉が下半身にあります。大きい筋肉を動かせば、それだけカロリー消費が大きくなり基礎代謝も上がります。脚のトレーニングをすることは結局、全身痩せにつながりますので、全体的に絞りたい人にもおすすめしています。」(八木さん)
自宅でできる脚痩せ筋トレメニュー
筋トレは道具や重りを使わなくてもOK。自分の体重だけで行う「自重トレーニング」で気軽にトレーニングできます。また、筋力に自信がない人でも無理なくできるのもメリット。
以下では、そんな3つのメニューを注意点とともに紹介していきます。
■体幹トレーニング「プランク」
体幹トレーニングと言えば、「クィーン・オブ・エクササイズ」と呼ばれているくらいベーシックで絶対に避けて通れないのが、プランクです。
OKな姿勢
「まずうつ伏せに寝そべって、床に肘をつけ上体を起こします。肘は肩幅程度で、つま先を立ててお尻を上げます。目線は前方に、頭からお尻、脚まで真っ直ぐになるようにします。筋トレはヨガではないので、呼吸は自分がやりたいようにしてください。それよりも筋肉に集中することが大切です。」(八木さん)
NGな姿勢
「よくありがちなのが、辛くなってお尻が上がってしまうこと。これでは体幹への効果はありません。また、頭が肩より沈んでしまうのも楽な姿勢ですが、それも体幹への効果が減り、肩こりの原因にもなるので注意しましょう。」(八木さん)
■筋トレその1「ワイドスクワット」
「キング・オブ・トレーニング」と呼ばれるワイドスクワット。そのなかでも、特に太ももの内側に効くのが、このワイドスクワット。太もものすき間を作りたい人には、このトレーニングがおすすめです。
OKな姿勢
「脚はできるだけ大きく開き、つま先は45度くらいで腰を落としこのままの姿勢をキープします。股関節の柔らかさは人によって差があるので、自分の柔らかさに合わせて無理のない広さで大丈夫です。
腰の高さもより深く落としても良いのですが、あまり落としすぎると股関節が痛くなるので、痛くなる手前で止めます。」(八木さん)
NGな姿勢
「脚の開きが少ないと、腰を落としたときに膝がつま先よりも外側に出てしまい、効果は薄いですし、膝を痛めてしまう恐れもあります。また、手を膝に置くと楽ですが、このフォームでは効果は望めません。」(八木さん)
■筋トレその2「ヒーローポーズ」
太もも裏のハムストリングスとお尻の筋肉を鍛えるトレーニング。脚の高さは10cmくらいでも問題ありませんが、ポイントは膝を曲げずに真っ直ぐにすること。
OKポーズ
「うつ伏せになった状態で、両脚を上げます。このまま上半身も上げ、両手も真っ直ぐ前に上げると、背筋の筋肉にも効果があります。お尻とハムストリングスを鍛えることでお尻の位置が上がり、脚長効果も期待できます。」(八木さん)
NGポーズ
「脚をより高く上げようと意識しすぎると、膝がどうしても曲がってしまいます。膝を曲げると楽なのですが、これでは効果がありません。」(八木さん)
ちなみに、これらのトレーニングをする際には、自分の姿が見える工夫をするのがおすすめとのこと。
「大きい鏡があれば一番良いのですが、鏡がなければ、私はみなさんに『自分のトレーニング姿をスマホのムービーなどで撮ってね』と言っています。誰かに撮影してもらうか、インカメラにして撮影してもOK。
これは、自分のフォームを絶対に見てほしいから。自分のフォームは想像しているより崩れていることが多いので、その都度確認することが大事なんです。」(八木さん)
また、楽しみながらトレーニングをこなすおすすめ方法もあるそう。
「私がおすすめしている方法が『テレビCMチャレンジ』。テレビを見ていて、CMに入ったらトレーニングにチャンレジします。これならテレビを見てる最中に気軽にできますし、時間を測る手間も省けます。まずは1CM終わるまで、1つのトレーニングに耐えましょう。
テレビCMは基本15秒なので、最初の時間としてはちょうど良いです。慣れてきたら1CMから2CM、2CMから3CMと、だんだん時間を増やしていきましょう。15秒を小刻みにするよりは1回を長くしたほうが、耐えている間にじわじわと筋肉が鍛えられていくので、できれば1回を長時間したほうが効果はあります。」(八木さん)
筋トレとセットでマッサージもおすすめ
このほか脚痩せ効果を高めるには、筋トレとともに、硬くなった筋肉をほぐすマッサージや、むくみを抑えるツボ押しも同時に行うのがおすすめです。
ふくらはぎに力を入れたときに膨らむヒラメ筋の境目で、くるぶしから指4本分の辺りを押さえたときに痛みを感じる部分にツボがあります。このツボを刺激することで、ふくらはぎのむくみを抑えます。
膝から指4本分くらいの太ももの内側にはリンパが流れるツボがあります。この2つのツボをマッサージすることで筋トレの効果もアップします。
また、塩分の多い食事はむくみやすくなるため、カロリーや糖質量だけでなく、塩分量にも気を付けるのがポイント。
「運動と食事は両方に気を配ることが重要。足し算ではなく掛け算なので、どちらかがゼロだと、合計がゼロになるのでご注意を。」(八木さん)
これからはどんどん気温が上がり、脚の露出も大きくなる季節。ぜひ、今回紹介した脚痩せ筋トレでスマートな脚を手に入れ、堂々と披露しちゃいましょう!
撮影/大田浩樹
文/マイヒーロー
編集/GetNavi web
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