電動キックボードのレンタルサービスの賛否を問う投票でパリ市民は反対を表明
「電動キックボードのレンタルサービスに賛成か反対か」を問う投票が2023年4月2日(日)、パリ市民を対象に行われ、9割が反対票だったことがわかりました。この投票結果に拘束力はありませんが、アンヌ・イダルゴ市長は投票の結果に従う意向を示しています。
Trottinettes en libre-service : les Parisiennes et - Ville de Paris
Paris votes to ban rental e-scooters
https://www.france24.com/en/live-news/20230402-paris-votes-on-ban-for-rental-e-scooters
No more room for vroom? Paris votes on banishing e-scooters
https://www.nbcnews.com/news/world/paris-votes-banishing-e-scooters-rcna77796
Paris votes overwhelmingly to ban shared e-scooters | TechCrunch
https://techcrunch.com/2023/04/02/paris-votes-overwhelmingly-to-ban-shared-e-scooters/
アンヌ・イダルゴ氏は2014年にパリ初の女性市長となり、2018年に電動キックボードシェアリングサービスを導入しました。
しかし、電動キックボードは便利であると同時に、無謀運転や飲酒運転の事例が後を絶たず、さらに、想定されているほどに環境負荷が低いわけでもないとの指摘がなされていました。
こうした意見を受けて、イダルゴ市長は指定駐車エリアの設定、最高速度の引き下げなどの施策を行ってきましたが、住民を納得させるには至らず、2023年4月2日(日)、電動キックボードのレンタルサービスへの賛否を問う国民投票が行われました。
投票結果は賛成1割、反対9割で、投票そのものに拘束力はないものの、イダルゴ市長は「市民の決定に従います」と述べました。有権者数は138万2322人で、投票者数は10万3084人。賛成票は1万1256票(10.97%)、反対票は9万1385票(89.03%)、白票・無効票が443でした。
市長の意向から、レンタルサービス事業者3社(Lime、Dott、Tier)の契約は2023年8月末の満了をもって更新されない可能性があるとみられています。ただし、対象はレンタルの電動キックボードに限られ、個人所有のものや電動自転車のレンタルサービスには影響は及びません。
なお、事業者3社は共同で、投票率はわずか8%弱であり、投票所の数が限られていて、電子投票はないといった複数の制限によって、投票者が反対意見を投じる層に偏ったと主張しています。ニュースサイトのTechCrunchも、投票と同じ日にパリマラソンが開催されたことや、投票対象にパリ市外在住でパリに通勤している人が含まれていないことなどの不公平さを指摘しました。