日本代表、ウルグアイ戦とコロンビア戦で良くも悪くも「目を引いた」7名の選手

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ウルグアイ、コロンビアという南米の強豪と対戦した3月シリーズ。

引き続き指揮を執る森保一監督のもと、新たなコーチなども迎えて臨んだキリンチャレンジカップ2試合は1分1敗という結果に終わった。

少なくない収穫と課題を手にしたなか、新要素や変化など良くも悪くも「目を引いた」選手を7名ピックアップした。

菅原由勢

カタール後の日本代表において、急務といえるサイドバックの人材確保。

36歳の長友佑都、32歳の酒井宏樹の後を担うべく、今回はDFに多く若手選手が招集されたが、その中でインパクトを残したのが菅原由勢だ。

足もとの安定した技術と攻撃センスでサイドバックが内側を取る新戦術をスムーズにこなし、ウルグアイ戦のスルーパスを筆頭に効果的なパスを前線に配球。

右サイドバックのレギュラー候補に浮上したが、守備では相手の個を抑えきれない場面も。そろそろ上のリーグへのステップアップが視野に入る。

西村拓真

昨季加入した横浜F・マリノスで、10番のマルコス・ジュニオールからポジションを奪いリーグ制覇に貢献した26歳のアタッカー。

日本代表では昨年のE-1選手権でも印象的なパフォーマンスを見せており、怪我がなければカタールワールドカップも狙えたことだろう。

新体制初陣に招集されると、ウルグアイ戦では途中出場直後に貴重な同点弾をゲット。続くコロンビア戦では先発出場を果たした。

そのコロンビア戦、動きの量が目を引いた一方で自身の強みがハマらない展開では一気に存在感を失った。代表で役割を担っていくためにはそこが課題となる。

浅野拓磨

カタールワールドカップのドイツ戦でヒーローになった快速アタッカー。

新体制でも引き続き招集され、ウルグアイ戦で先発、コロンビア戦では途中出場を果たしたが、ドイツ戦のようにチームを勝利に導くことはできなかった。

「自分が決める」という強い意志と最後までやり抜く力を持ったストライカーだが、一発を狙いすぎるデメリットはどうしても付きまとう。

前田大然や上田綺世が利他性も備えていることを考えると、プレーのクオリティを上げられないようであればチャンスを失っていく可能性は高い。

伊藤洋輝

左サイドバックで起用されたウルグアイ戦とセンターバックで出場したコロンビア戦で別の顔を見せた。

サイドバックとしてはやはり経験が乏しく「そこで出場しているだけ」的な感が否めないが、センターバックとしてはクラブで着実に経験を積み安定感が増してきている。

コロンビア戦はコンビを組んだ板倉滉の出来があまり良くなかったこともあり、守備者としての伊藤は目を引いた。

下位のシュトゥットガルトでプレーしているためかボールを持つ角度の悪さなどビルドアップ面はなかなか改善しないが、今後の成長に期待したい。

守田英正

ボランチとして2試合に先発。ウルグアイ戦はサイドバックが内側に入る新戦術に戸惑いを隠せなかったものの、コロンビア戦はしっかりと修正してみせた。

それ以上に目を引いたのは攻撃へのかかわり方で、コロンビア戦では前線を的確にサポートし、前半早々の三笘薫の先制弾をアシスト。

パートナーが鎌田から遠藤航に代わった後半も今度は左足のクロスで上田綺世のヘディングでの決定機を演出している。

細かいパスミスなどらしくないプレーも少なくなかったが、確実に総合力を高める27歳は日本代表のキーマンになりつつある。

鎌田大地

カタールワールドカップでは攻撃よりも守備での貢献が目立った鎌田大地。ただ、相手に寄せきれずクロスからゴールを許した場面もあった。

今回、ウルグアイ戦はトップ下で先発したがなかなか効果的な働きができず。それもあってかコロンビア戦ではクラブと同じボランチで先発した。

ハイプレスが機能していた30分頃までは攻守ともに存在感を発揮。自信を持ってボールを引き出し角度を変えながら前に進めるプレーなど遠藤にはない持ち味を発揮した。

その後の受けに回る展開では鎌田をボランチで起用する意味は薄れたものの、今後に向けては間違いなく良いトライだったと言える。

上田綺世

悔しい想いをしたカタールワールドカップ。しかし所属のセルクル・ブルッヘで得点を量産し、点取り屋としての才能を改めて見せつけている。

今回はウルグアイ戦、コロンビア戦ともに後半からの出場。またもA代表初ゴールはお預けとなったものの、国際舞台でゴールに絡む“勘所”は1年前に比べて向上している。

外国人選手に囲まれた環境の中でプレーヤーとしての感度が増し、ゲーム内での立ち位置や自分らしさを出すタイミングが明らかにうまくなっている。

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まだ24歳。一つ結果を出せば日本代表での立ち位置が大きく変わる可能性は十分にある。問題は、それがいつになるか、だ。