ソフトボールのルールを分かりやすく解説!試合は何回まで?

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ソフトボールのルールは野球と共通している部分もありますが、1試合の回数や延長戦の方式など異なる点も存在します。これからソフトボールを始める人はもちろん、試合を観戦する人も、まずは基本的なルールを覚えてみましょう。

この記事では、ソフトボールのルールについて解説します。

ソフトボールの基本ルール

まずは、ソフトボールの基本ルールとして人数やポジション、試合は何回まで行うのかなどを解説します。

プレイヤーの人数・ポジション

ソフトボールの試合におけるプレイヤーの人数は、野球と同じ9人制です。
ただし、DP(指名選手)を活用する場合は各チーム10人となります。

ソフトボールのポジションは、以下の通りです。

ピッチャー キャッチャー ファースト セカンド サード ショート レフト センター ライト

学校の体育の授業で行う場合や、ピッチャーが遅い球を投げるスローピッチソフトボールでは、センターが2人(レフトセンター・ライトセンター)となり、1チーム10人制で行われます。

1試合の回数

ソフトボールの1試合の回数は、7回までです。

ただし、3回15点、4回10点、5回以降7点以上の差が生じた場合にはコールドゲームとなり、試合が終了します。

7回が終わった時点で同点の場合は延長戦に突入し、8回以降はノーアウトで二塁にランナーを置く「タイブレーカー(旧称はタイブレーク)」が採用されます。

二塁のランナーは、前回の最後に打撃を完了した選手です。

3アウトで交代

ソフトボールの試合では、野球と同じく、アウト3回で攻撃・守備を交代します。

打者がアウトになるのは「第3ストライクがキャッチャーに正しく捕球されたとき」など、基本的には野球と同じです。

ソフトボールの用具・競技場のルール

続いては、ソフトボールの用具や競技場のルールについて紹介します。

バット・ボール

ソフトボールのバットには、長さ86.4cm以内、重さ1,077g以内という規定があります。また、太い部分の直径は5.7cm以内でなければなりません。

バットの材質については、木・竹・カーボン・合金・セラミックなどがありますが、金属バッドが主流です。

ソフトボールに使用されるボールのサイズは、円周30.2~30.8cm、重さ177.5~198.8gです。
ボールの色は、2002年の国際大会から黄色に赤ステッチが入ったイエローボールが採用されています。

競技場

ソフトボールの競技場の本塁から外野フェンスまでの距離は、女子が67.06m以上、男子が76.20m以上と規定されています。

ピッチャーとキャッチャーの距離については、女子が13.11m、男子が14.02mです。

ソフトボールの競技場は、野球とは違い右中間や左中間の膨らみ、左右両翼と中堅との距離に差はなく、本塁から外野フェンスまでの距離は一定となっています。

また、ピッチャーが投球を行う場所には2.44mの円(ピッチャーズサークル)がありますが、地面は平坦となっており、野球のような小高くなっているマウンドはありません。

ダブルベース

ソフトボールでは、野球とは異なり一塁に白とオレンジのベース(ダブルベース)を使用します。

塁間の距離が18.29mと野球よりも短く、特に一塁でのクロスプレー時に接触しやすいことから、ソフトボール特有のルールとして設けられました。

ダブルベースの大きさは38.1×76.2cmで、ファウル側にオレンジ色のベース、フェア側に白色のベースが固定してあります。

打者走者は原則としてオレンジ色のベースを使用し、守備者が白色のベースを使用することで、選手間の接触を回避することができる仕組みです。

ソフトボールの服装ルール

使用するバットやボール以外に、着用するユニフォームやシューズ、グラブ・ミットやキャッチャー用具などにも決まりがあります。

ここでは、ソフトボールで定められている服装ルールについて解説します。

ユニフォーム

ソフトボールのユニフォームは、チームの監督、コーチ、選手がすべて同じ色やデザインでなければならないと決められています。

また、ストッキングやソックスもユニフォームの一部であるとされ、スライディングパンツやアンダーシャツの色もチームで統一する必要があります。

ユニフォームナンバーは、監督が30、コーチが31・32、主将が10です。ほかの選手は1~99までの番号のいずれかとなります。

シューズ

ソフトボールで履くシューズは、靴の底が滑らかで軟らかさのあるものか、硬い滑り止めがあるものを着用します。

金属製スパイクや硬い滑り止めについては、長さが靴底から1.9cm以内のものしか使用が認められていないため、注意しましょう。

なお、小学生や中学生などの年代やルールによって使用が禁止されていることもあるので、事前に確認してから使うのがおすすめです。

グラブ・ミット

グラブはすべての選手が使用できますが、ミットを使用できるのはキャッチャーとファーストのみです。

ピッチャーが使用するグラブについては、ボールと同色を避けることが規定されています。ほかの選手のグラブについて、色の規定はありません。

ヘルメット

ソフトボールの試合において、攻撃側のプレイヤー(打者・打者走者・走者・次打者)は、JSA検定マークが付いた両耳当てがあるヘルメットを使用しなければなりません。

高校生以下については、ベースコーチもヘルメットの着用が義務付けられています。

亀裂が入ったものや不正に改造されたものは使用できないため、使うヘルメットの状態はしっかりと確認しましょう。また、プレー中にヘルメットを意図的に脱ぐ行為も禁止されています。

捕手用用具

ソフトボールのキャッチャー(捕手)は、以下の4点の用具を着用しなければいけません。

スロートガード付きマスク(SGマークが入っているもの) 捕手用ヘルメット(JSA検定マークが入っているもの) ボディープロテクター 膝当て付きレガース

競技場内では、試合以外の準備投球などでも着用が義務付けられているため、忘れず身に着けるようにしましょう。

野球と異なるソフトボールならではのルール

ソフトボールは野球から派生したスポーツのため、基本的なルールは野球とほとんど同じですが、独自のルールもいくつか存在しています。

ここからは、野球とは違うソフトボールならではのルールを見ていきましょう。

投球

ソフトボールでは、野球でいうアンダースローに似た形で投球します。

野球のアンダースローとの主な違いは、手と手首が必ず体側線を通過しながらボールを離さなければならないという点です。

投法

ソフトボールで用いられる最もポピュラーな投法が「ウインドミル」です。風車のように腕を大きく回転させて、遠心力を利用してボールを投げます。

なお、腕の回転は1回に制限されていて、複数回腕を回すことは禁じられています。

ほかにも、ソフトボールには、時計の振り子のように腕を下から振り上げて、その反動を利用してボールを投げる「スリングショット」という投法もあります。

離塁アウト

ソフトボールにおいて打者がアウトになるルールは基本的に野球と同じですが、野球と異なるアウトに「離塁アウト」というものがあります。

ソフトボールでは、ピッチャーの手からボールが離れるまでは、塁を離れることが禁止されており、いわゆるリードができません。

もし塁を離れてしまった場合は、アウトになるので注意しましょう。

リエントリー

ソフトボールの試合では、1979年の国際ルールの改正により「リエントリー(再出場)」が採用されました。

スターティングプレイヤー※は一度試合から退いても、再出場が認められています。
しかし、再出場は一度のみで、自分の元の打順を引き継いだ選手と交代しなければなりません。

※スターティングプレイヤー:試合前に提出された公式の打順表に記載されたプレイヤーのこと。

ソフトボールのルールを覚えよう

ソフトボールのルールを正しく理解することで、プレーはもちろん、試合観戦もより深く楽しめるようになるので、今回紹介したルールをぜひ参考にしてみてください。

また、ソフトボールは野球から派生したスポーツですが、野球にはない独自ルールもあるので、しっかりと覚えておきましょう。