[2.26 J2第2節 町田 2-0 群馬 Gスタ]

 1-0で迎えた後半39分、FC町田ゼルビアは敵陣左サイドでFKを獲得すると、キッカーのDF翁長聖は右足を力強く振り抜いた。「ファーに速い球というイメージ」で放ったボールは強烈なドライブ回転がかかっており、GKの頭上を超えた瞬間に鋭く落ちてファーポスト脇にゴールイン。豪快な直接FK弾が勝利を決定づける一撃となった。

 あまりのスーパーゴールに黒田剛監督も試合後、「すごく急激に落差のあるボールだったし、見ていたわれわれもビックリした。相手チームも驚くようなシュートだったのではないかと思う」と絶賛。開幕節ではロングスローで脅威を放っていた背番号22の“飛び道具”に驚きを隠さなかった。

 翁長によると、このキックはチームメートの助言によって生まれたという。「高江があそこ狙えって言ってきたんで蹴りました」。アドバイスの主はMF高江麗央。ドライブ回転で落ちるボールはこれまでも蹴っていたといい、「ファーで速い球行けんじゃない?」という助言どおりに自信を持って蹴り込んだようだ。

 この日の町田は先制点も黒田監督の“十八番”とも言えるセットプレーから奪取。指揮官は「J2の力関係、またはイニシアチブをどっちが取るかということにおいては、ゴール前を固めながらカウンターやリスタートを狙ってくるチームもある。われわれもその優位性を活かし、リスタートから点数が取れると精神的に楽に進められる」と重要性を強調したが、翁長も「セットプレーで取れるとチームが勢いづくので、今日の1点目もそうだったけど良かったと思う」と手応えをのぞかせた。

(取材・文 竹内達也)