牛乳市場の低迷に加え、原材料価格の高騰などが追い打ち

 (株)良寛(TDB企業コード:350078313、資本金3750万円、新潟県三島郡出雲崎町大門260-1、代表諸橋且委氏)は2月7日付けで事業を停止し、事後処理を堀江悠真弁護士(東京都千代田区丸の内2-2-1、弁護士法人大江橋法律事務所東京事務所、電話03-5224-5566)ほか2名に一任した。

 当社は、1952年(昭和27年)に出雲崎町の地元酪農業者が互いの経営合理化を目的として任意組合を結成して創業、その後64年(昭和39年)4月に法人改組した乳製品メーカー。主力の「良寛牛乳」を自社工場で製造するほか、「良寛コーヒー」「良寛牛乳プリン」「良寛ヨーグルト」などの自社ブランドを幅広く取り扱っていた。営業エリアは新潟県中越地区が主体。食品スーパーや学校給食を始め、公共施設や企業内の自動販売機向けなどを販路として展開し、2003年12月期には年売上高約17億4200万円を計上していた。

 しかしその後、主力の牛乳市場が縮小するなか、量販店向けは同業者との競合が加速。さらに少子化を背景として学校給食向けも低調に推移。2021年12月期の年売上高は約9億9100万円にまで減少し、連続欠損から大幅な債務超過に陥っていた。新型コロナ対応融資を利用するほか、付加価値を高めた新商品の投入などで経営の立て直しを企図したが、各種原材料価格の高騰に加えて運送費の上昇、電気代などエネルギーコストの増加も加わり、資金繰りがひっ迫していた。

 負債は2021年12月期末時点で約4億7000万円だが変動している可能性がある。