いよいよ伊豆縦貫道の全線が計画路線になります。

最大の難所を越える区間


2019年に開通した天城北道路(画像:伊豆市)。

 静岡県は2023年1月31日(火)、伊豆縦貫道のうち長い未事業化区間である"天城峠区間"について、都市計画決定を行ったと発表しました。並行して手続きが進む環境アセスメントとあわせて、全通に向け事業化の一歩手前まで進められています。

 伊豆縦貫道は東名沼津IC(沼津市)から最南端の下田ICまで、伊豆半島を南北に貫く延長約60kmの道路。このうち開通済みなのは、東名の沼津ICから月ヶ瀬ICまでの区間です(一部は伊豆中央道経由)。

 また、最南端の工区「河津下田道路」も事業が進行中で、河津IC〜逆川ICは3月19日に開通予定。下田市街に直結する区間も工事着手しています。

 その中で、長いあいだ「調査中区間」となっているのが、月ヶ瀬から河津まで、天城峠で阻まれているこの約20kmの山岳区間です。概略ルートが2021年に決定されたのをうけ、いよいよ事業化に向けた諸手続きが始まっていました。

 概略ルートは下流の河津七滝をはじめ環境に配慮し、天城峠西側から水源を迂回して河津ICにつなぐものです。2車線で設計速度は80km/hとなっています。峠周辺は主にトンネルで抜けていく構造です。

 全通すれば、沼津〜下田の所要時間は下道に比べ、110分から60分へほぼ半分に短縮されると試算されています。また伊豆半島全体の緊急輸送路としての役割が期待されています。