半世紀超の「ジャンボ機」の歴史が完結 「ボーイング747」最後の1機が納入…全世界が注目の”納入式”が圧巻!
積み重ねてきた数字が、とんでもないものばっかりです…。
1億1800万時間以上飛行
1967年に初号機の製造が始まり、その後「ジャンボ機(ジャンボ・ジェット)」や「空の女王」として世界の航空・旅行ファンなどに親しまれた「ボーイング747」。この最終号機が2023年1月31日に顧客に納入され、50年以上におよぶその歴史に、ピリオドが打たれました。
ボーイング747最終号機引き渡しの様子。
747は1968年9月にシリーズ初号機がロールアウト(完成公開)。翌2月9日に初飛行し、1970年1月21日に、アメリカの航空会社、パン・アメリカン航空のニューヨーク〜ロンドン線で就航しました。
以来、世界中で100を超える航空会社で運用されたとのことで、その比類無き収容力から海外旅行の大衆化に大きな貢献を果たしています。
ボーイングによると、これまで製造された747の数は1574機。シリーズ累計でこれまで1億1800万時間以上空を飛び、2300万回近くフライトしたとのことです。また、かつてはここ日本でもJAL(日本航空)、ANA(全日空)が、主力機のひとつとして747を使用。とくにJALは、もっとも747を購入した航空会社としても知られています。
最終号機はどんなもの?
今回ロールアウトした747最終号機「N863GT」は、アメリカの貨物専用航空会社、アトラス航空向けの貨物専用機、747-8F。2010年に初飛行した最終派生型で、その先代モデルである「747-400」とくらべ、約5.7mの胴体を大型化するなどの設計変更が図られています。
ボーイング747は、年を追うごとに旅客機としての活躍の場こそ減っているものの、当初より貨物機として使用する想定で設計されたこともあり、世界の貨物航空会社で、いまもなお主力級の活躍をしています。747-8Fも、国内ではNCA(日本貨物航空)が主力機として使用しています。
ボーイング747試作初号機(画像:ボーイング)。
最終号機「N863GT」は塗装完了直後、「最後の747」を想起させるような特別塗装は実施されていませんでしたが、そののちコクピット下部に、747シリーズの設計を担当したジョー・サッター氏の肖像と747が描かれたイラストのデカールが貼られた姿が確認されています。
今回最終号機が引き渡されることにともなって、ボーイングではこの納入式の様子をライブ配信を実施。納入式では、747最大の顧客であったJALの赤坂祐二社長をはじめ、航空業界のゲストも多く登壇しています。
なお、納入にともなうフェリーフライト(回送運航)はあす実施される予定で、飛行計画では航路で「747」の文字が描かれると発表されています。