国道2号バイパス「倉敷福山道路」どこまで進んだ? 長い県境区間 完成間近から″事業化すらまだ″も
広島〜岡山の「無バイパス区間」に壮大な整備工事が進んでいます。
2025年が一つの区切り
渋滞が発生する国道2号の現道(画像:国土交通省)。
大動脈の国道2号でありながら、いまだ狭い道路のままで渋滞多発地帯となっているのが、広島県と岡山県の県境を越える、福山〜笠岡〜倉敷間です。西からは「赤坂バイパス」、東からは「玉島バイパス」などが開通済みですが、県境周辺は約50kmにわたってバイパスの無いエリアとなっています。
この区間をまるごと南側にバイパスする高規格道路「倉敷福山道路」の建設が進んでいます。3つの事業工区に分かれており、それぞれ計画・工事が行われています(以下、IC名は仮称)。
●福山道路(延長16.5km)
赤坂バイパスから南東へ進路を変え、長和・千代田・川口・手城・引野といったICを経由して、笠岡西ICまでをむすび、福山市街を南側でバイパスします。
このうち事業が進んでいるのは、赤坂バイパスにつながる3.3km区間のみ。笠岡方面はまるまる未事業化区間で、調査検討の段階です。工事中の区間では、昨年10月時点ですでに橋脚がならび、切土部分も改良工事が進められているところです。
●笠岡バイパス(延長7.6km)
笠岡西ICから笠岡ふれあい空港の南側を経由し、笠岡東ICへ至り、笠岡駅周辺を海側でバイパスします。道の駅笠岡ベイファーム周辺などは側道部分が開通しており、本体部分は2025年の開通予定と発表されています。
●玉島・笠岡道路(延長13.9km)
笠岡東ICから、国道2号の1.5kmほど南側を並行し、里庄・鴨方といったICを経由して、浅口金光ICへ到達。そこから玉島バイパスまでは2015年に開通済みです。こちらも笠岡バイパスと同様に、2025年に全通予定です。
これら3事業工区を整理すると、2025年にまず、岡山・倉敷方面から笠岡市西部まで丸ごとバイパスが完成します。そこからは都市計画決定済みですがまだ事業化の見通しも経っておらず、福山市西部でわずかな部分で工事大詰めとなっている状況です。