冬ドライブに必須「タイヤチェーン」どんな種類がある?それぞれのメリット・デメリットとは

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ドライブの必須装備「タイヤチェーン」種類がある?

 雪道などですべり止めの役割を果たす「タイヤチェーン」は冬のドライブには欠かせません。たとえスタッドレスタイヤを履いていても、凍結路や勾配のきつい坂道ではスリップして走行できないことがあり、そんなときに強い味方となってきます。
 
 そんなタイヤチェーンには種類があります。ではどういった種類があるのでしょうか。またメリット・デメリットにはどういった点が挙げられるのでしょうか。

「坂を登れない」ものもある? タイヤチェーンの種類を確認

 タイヤチェーンは大きく分けて、「金属チェーン」と樹脂やゴムなどで形成されている「非金属チェーン」の2種類があります。

【画像】タイヤチェーンの違いはなに? 画像で種類を確認する(11枚)

 金属チェーンは、名前のとおり金属でできており、鎖状のチェーンをタイヤの接地面に巻きつけて装着し、雪や氷に食い込むことで走行する仕組みとなっています。

 金属チェーンのなかにも種類があり、縦と横両方で鎖が構成される「亀甲型」と、横方向のみの簡素な鎖で構成される「はしご型」があります。

 金属チェーンのメリットは、対応サイズが豊富で比較的低価格であるため、手頃であるということ、収納時コンパクトにまとまることが挙げられます。

 一方でデメリットとして、慣れていないと装着に手間がかかる点、また雪が少ない路面では金属による騒音と振動が発生する点、さらに、高速走行ができない点やホイールを傷つけやすい点が挙げられます。

 また、亀甲型とはしご型ではそれぞれ走破性に違いがあります。

 JAFがおこなったテストによると、20%の勾配をノーマルタイヤを履く同一のクルマを用いてテストした際に、亀甲型では3回とも登れたのに対し、はしご型では3回ともに途中で止まってしまうという結果が報告されています。

 このため、はしご型に比べると亀甲型の方が走破性に優れているといえます。

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 一方の非金属チェーンは、鎖を用いる金属チェーンとは異なり、樹脂やゴムなどでできたバンドをタイヤに装着する形状となっています。

 バンドには金属製のスパイクが埋め込まれており、これが雪や氷に引っかかる仕組みです。

 メリットとしては金属チェーンとくらべて静粛性が高く、乗り心地が良いことです。

 使用する素材の違いから走行音はかなり抑えられているほか、柔軟であるため乗り心地も比較的良い傾向にあります。

 さらに、埋め込まれたスパイクにより凍結路では横滑りしにくいという面もあります。

 一方でデメリットは金属チェーンよりも高価であることや、コンパクトにまとめられないため収納時かさばる点が挙げられます。

 また、樹脂やゴムを使用しているため、使用後に洗浄するなど適切なメンテナンスをしなければ劣化しやすい点もデメリットといえます。

 さらに、先述のJAFによるタイヤチェーンの比較テストでは、20%の勾配では非金属チェーンは3回とも登れないという結果で、走破性がやや劣る点もあることが分かっています。

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 また近年では「布製チェーン」という布製のチェーンが販売されており、手軽な装着とコンパクトに収納できることがメリットですが、一部の製品を除き基本的に緊急用と考えたほうがよく、「チェーン装着車以外通行禁止」の道路では通行が認められないケースがあります。

 タイヤチェーンを選ぶ際は種類やそれぞれのメリット・デメリットを確認の上、購入するのがよいでしょう。