本田望結「中途半端だなと思ったこともあります」。それでもスケートと女優を続けて「欲張りでもいいのかな」と思えた助言があった
本田望結 インタビュー
フィギュアスケートと芸能活動の二刀流で活躍している本田望結さん。2022年は、フィギュアスケートの東京選手権やプリンスアイスワールドなどに出場。女優としてはドラマ『ばかやろうのキス』(日本テレビ)や映画『きさらぎ駅』などで活躍した。自身にとって、2022年はどんな年になったのか。進学を明言している大学での目標は?
晴れ着姿でインタビューに応じた本田望結さん
ーーフィギュアスケーターとしては、2022年はどんな年になりましたか?
本田望結(以下、同) 年間を通して試合に出ることができてよかったです。コロナ禍以降、なかなか練習できる場所がなく、試合が延期になることも多くて。だからこそ練習したい時に練習できて、決まった日程に試合が行なわれることがどれだけ幸せなことか、あらためて感じられた年でした。
ーー練習や試合で、特に意識していたことは?
18歳になって、女優業の時間制限がなくなったんです。それまで夜10時までしか現場にいられなかったのが、それ以降も撮影できるようになりました。それもあって、スケートのほうは1週間丸々滑れない時もありました。
でも、「スケートが好き」という気持ちは年々強くなっていますし、私の滑りが、どなたかの頑張る源になっているかもしれない。そう信じて、時間を見つけて練習するようにしてきました。
試合は、青森山田高校の代表として出る機会もあったので、学校の名に恥じぬよう、しっかり演技しようと思って挑みました。
ーー女優業では、7月期のドラマ『オクトー 〜感情捜査官 心野朱梨〜』(読売テレビ)で「パパ活」をする女性役、『少年のアビス』(毎日放送)ではキスシーンがあったりと、大人っぽい役柄を多く演じられました。
そうですね。幼い頃はできなかった役を自分が演じられるようになったことで、「大人になったんだな」と、すごく実感した年でした(笑)。
ーー大人の女優に成長するなかで、子役からのイメージ脱却に苦しんだりしたことはありますか?
女優業においては、中学生役って、あまり多くないんですよ。それもあって、子役と女優は別だと思っていて、脱却に苦しんだことはないです。その分、フィギュアスケートや学業に力を注いでこられたかなと思いますね。
それに、子役として多くの作品に出させていただいても、女優としてはまだまだ新人。無理に大人っぽく振る舞ったりせず、今の年齢に合った役に挑戦できるよう頑張りたいなと思っています。
ーー学業もあるなか、二足のわらじを履き続ける理由は?
履けているかどうかわからないですし、ただただ好きでやっているだけなんです(笑)。ふたつを続けることを、欲張りじゃないかと思ったり、中途半端だなと思ったこともあります。
でも、「好きなことをたくさん見つけられるのはすごいことだよ」とある方に言っていただいて、欲張りでもいいのかなと。今ではふたつあるのが自分というか、本田望結がふたりいる感覚なんです。だからこの先も、嫌いになるまで(スケートと女優を両立する)今の生活を続けていきたいです。
ーー最近では、YouTubeチャンネル『本田姉妹やで』や、Instagramなども話題に。SNSはどういう存在ですか?
事務所の方と相談して始めたんですが、SNSはお仕事の一環とは思っていなくて、ファンの方とつながることができて楽しいからやっているという感じです。
今は本当に、SNSの時代ですよね。SNSをテーマとしたドラマや映画が出てきてますし、SNSを活用して自分の個性を出していらっしゃる方もたくさんいます。
ーーファンにとっては、素顔が垣間見えるよさがあります。
私もYouTubeの動画を見た方から、「望結ちゃんって、こんな子だったんだ」と言われることが多いです。家族といる時の素の自分がそのまま出ているので、マネージャーさんは不安かなと思いますけど(笑)。
ーー2023年は、どんな年にしたいですか?
大学生になれたら、姉(真凜)のような大学生になりたいです。
ーー真凜さんは、望結さんから見て、どんな大学生ですか?
コロナ禍でリモート授業が多かったなか、最近では大学に行くことが増えていたり、レポートが大変みたいで、常にパソコンを持ち歩いて勉強しています。もちろんスケートの練習をしながらなので、本当にハードスケジュール。すごくかっこいいなと思います。
ーー望結さんは、どんなキャンパスライフを送りたいですか?
まず、お友達を作りたい(笑)。知らない世界にたくさん触れて、兄(太一)のような社会人になれるように階段を上がっていきたいと思います。
ーー芸能活動のほうでは、どんな年にしたいですか?
いただける役があるのであれば、一つひとつ全力で取り組んでいきたいです。ジャンルとしては、やっぱり、今しかできない学園モノに参加したいですね。
ーー目指す女優像はありますか?
皆さんのなかで『家政婦のミタ』(日本テレビ/2011年)の(阿須田)希衣ちゃんのイメージが強いと思うので、懐かしく思っていただきつつも、「え、あの希衣ちゃんが!?」と驚いてもらえるような挑戦をしていきたいです。それが誰かの「頑張ろう」につながればうれしい。
ーー以前のスポルティーバの取材で、カメラにハマっていると話していました。今は?
今もです! スポーツ観戦が好きなので、選手を撮ったり、姉や妹を撮ったり。写真は、楽しいですね。ブレていたとしても、それがいい思い出にもなるじゃないですか。来年はもっといろんなところに行って、写真を撮りたいです!
【プロフィール】
本田望結 ほんだ・みゆ
2004年6月1日、京都府生まれ。4歳からフィギュアスケートを始め、3歳から芸能界入り。2011年のドラマ『家政婦のミタ』で脚光を浴びる。2015年には『ポプラの秋』で映画初主演を果たした。そのほかの出演映画に『母と暮せば』(2015年)、『きさらぎ駅』(2022年)など。ドラマには『少年のアビス』(2022年)、『ばかやろうのキス』(2022年)などがある。