2020年5月、トム・クルーズがイーロン・マスクの宇宙開発企業「スペースX」およびアメリカ航空宇宙局(NASA)と協力し、史上初の宇宙ロケを計画していることが報じられ大きな話題を呼んだ。監督は映画『ボーン・アイデンティティ』で知られ、トムとは『オール・ユー・ニード・イズ・キル』でタッグを組んだことのあるダグ・リーマン。しかしコロナ禍で計画は一時ストップ。その間にロシアの映画監督クリム・シペンコが同じようなプロジェクトを進め、2021年10月に国際宇宙ステーションで映画『The Challenge(原題)』の撮影を成功させた。トムは”史上初の宇宙ロケ”というタイトルを逃すことになった。

しかし現在トムがさらなる大プロジェクトを進めていることが明らかになった。2020年5月に伝えられた計画の実現に向けて動き始めたが、当初よりもグレードアップさせたよう。制作するユニバーサル・フィルムド・エンターテイメント・グループの会長ドナ・ラングレーによるとトム演じる主人公はロケットで国際宇宙ステーションへ。さらになんと基地の外に飛び出し、地球を救うために宇宙遊泳に挑むというストーリーになる。ロシアのシペンコ監督の撮影は国際宇宙ステーションと宇宙船の中で行われたという。ラングレーは「トムが宇宙ステーションの外で宇宙遊泳する最初の民間人になることを期待している」とテレビ局「BBC」に語っている。

ラングレーによると映画の大半は当初の計画通り地球上で撮影することになる。とはいえたとえ短いシーンであっても民間人が初めて宇宙遊泳に挑戦、その様子を撮影するとなれば映画史に残る作品になるのは間違いない。これまで数々の超絶スタントを成功させてきたトム。この大偉業も成し遂げそう。