奈良県への移住はおすすめ? 移住希望者向け情報や奈良県の移住支援を紹介します
働き方改革や新型コロナ感染症の影響によって、定着しつつあるテレワーク。この傾向は今後も拡大し、定着すると考えられています。
テレワークであれば、通勤の利便性を考慮する必要がないため、都会より生活費が安く、自然豊かな地域に生活拠点を移すことも可能です。なかでも奈良県は移住者に人気の地域の一つです。本記事では奈良県の特徴や移住支援などについて紹介します。
奈良県への移住は人気が高まっている
奈良県は関西圏のみならず、全国的にみても移住者が増えている県です。とくに奈良市の人気が高く、2022年の「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数調査」では、奈良市の2021年の社会増減が432人も増えています。
※参考:奈良市役所「2021年の奈良市人口の転入超過数が過去9年で最大に!」
奈良県はどんなところ?
観光地として人気が高い奈良県ですが、移住先としてはどうなのでしょうか。移住者向けに奈良県の基本情報について解説します。
内陸性気候で寒暖差が激しい
奈良県の気候は概ね温暖ではありますが、南北に長く、山や盆地、高原などもあることから場所によって内陸性気候や山岳性気候など、さまざまな気候が混在しています。
北部北西部の大和盆地は内陸性気候になりますが、北東部の大和高原では内陸性気候と山岳性気候それぞれの特徴がみられます。いずれも夏は暑く、冬は寒さが厳しいという点が特徴的です。また、南部の山岳部は山岳性気候により夏の雨量が多く、特に大台ケ原山を中心とする南東山地は全国屈指の多雨地帯です。
豊かな文化
奈良は日本の歴史の幕開けとなる一時代が築かれた地であり、多くの歴史的な遺物が点在しています。古墳時代、飛鳥時代、奈良時代には奈良県内に中央政府が置かれたことから、為政者や有力者によって作られた古墳や陵墓が多数現存しています。また、仏教伝来の地でもあり、東大寺や法隆寺をはじめとする仏教に関わる歴史的な文化資源も豊富です。
こうした奈良の遺産は世界的にも重要性が認められています。1993年には「法隆寺地域の仏教建造物」が日本初の世界遺産に登録され、その後「古都奈良の文化財」「紀伊山地の霊場と参詣道」も登録されました。
都市圏へのアクセス良好
奈良は近畿の中央部に位置し、京阪神地域へのアクセスに優れています。都市圏の大阪、京都にも出やすく、どちらに行く際も所要時間は電車で約1時間、車で約1時間半です。新幹線駅である新大阪駅、京都駅にも乗り換えなしでアクセスできます。
具体的に見ると、大阪まで電車の場合はJR奈良駅からJR大阪駅まで最短で52分、近鉄奈良駅から近鉄大阪難波駅までなら最短でおよそ35分です。また京都までは、JR奈良駅からJR京都駅まで約45分。なお、近鉄奈良駅は大阪、京都、神戸三宮行きの路線の始発駅でもあります。
子育て支援が充実している
奈良県では子育て支援にも力を入れています。奈良市内には「地域子育て支援センター」、「つどいの広場」、「子育てサロン」などの子育てスポットが40ヶ所以上も設置されています。
奈良市の保育園やこども園では、新たなサービスの導入により保護者の負担軽減も実現しています。これにより、保護者による使用済みおむつや、お昼寝用布団の持ち帰りなどが不要になりました。
また、奈良市の市立小・中学校は、全国に先駆けて生徒1人につき1台のタブレット端末が貸与され、アクティブラーニングによる学びや、個別最適化された学びなどに活用されています。
奈良県全体では「なら子育て応援団」という支援が行われていて、18歳未満の子どもや妊婦さんがいる家庭の人が登録すると、各種協賛店で料金の割引などを受けられます。
奈良県が行っている移住支援
奈良県ではさまざまな移住支援を行っています。以下に具体的な支援内容を紹介します。
移住支援金
奈良県には、東京圏から移住し、県内で就業、起業をしようとする人を対象にした移住支援金制度があります。支援金の受給には移住元や移住先、就業に関する要件を満たす必要があります。
移住元に関する要件には、住民票を移す直前の10年間のうち、通算5年以上東京23区内または東京圏に在住し、東京23区内への通勤をしていたこと、などがあります。移住先に関する要件は、県内の移住支援事業実施市町村に転入し、移住支援金の申請時において、転入後3か月以上1年以内であること、などです。
就業に関する要件には、勤務地が奈良県内で、奈良県が移住支援金の対象としてマッチングサイトに掲載している求人による就業であること、などがあります。これらを満たす人が移住先の市町村に申請を行うと、2人以上の世帯で1世帯100万円、単身世帯の場合は60万円が支給されます。
オンライン移住相談
移住を検討している人にとって、移住先の街の雰囲気や、住み心地などは気になるところでしょう。本来であれば実際に訪れて確認するのが一番ですが、奈良県へ出向く時間がないような人はオンライン移住相談窓口を利用してみるとよいでしょう。
また、移住交流イベントや移住説明会なども開催されていて、実際に移住した人の声が聞けます。
お試し移住支援制度
移住を検討しているものの、馴染みのない場所にいきなり移り住むのはハードルが高いと感じる人もいるでしょう。そのため、奈良市では市内の宿泊施設と連携したお試し移住制度を設けています。
対象になるのは、奈良市外に在住で奈良市への移住及び定住を検討し、登録宿泊施設に2泊以上宿泊する人、そして「奈良市オンライン移住相談」で面談済みである人です。対象者には1人1泊2,000円(最大2万円)の支援金がQUOカードで給付されます。なお、利用後にはアンケートや、定住促進のための情報発信などへの協力が求められます。
空き家バンク
空き家バンクは、空き家を売りたい人と買いたい人、あるいは借りたい人を仲介する制度です。現在、多くの自治体で空き家バンクを設置し、主に大都市から地方へ移住する人への支援と定住促進による地域の活性化、空き家の有効活用を図ることを目的に活用されています。
奈良県でも空き家バンクを実施していて、戸建て住宅や土地が登録されています。空き家を探している人向けのポータルサイト「空き家コンシェルジェ」もあり、物件探しの強い味方です。また、奈良市には空き家の有効活用を促進するための補助金事業もあります。
奈良県に移住するときの注意点
奈良県は移住先としての人気が高く、移住者にはさまざまなサポートもあります。ただし、不慣れな土地での生活はストレスがつきものですし、特に都会の生活に慣れている人には何かと不便に感じることがあるかもしれません。奈良県に移住する際の注意点を解説します。
場所によっては車必須
地方都市や郊外の地域には共通していえることですが、公共交通機関があまり充実していないため、買い物や通院など普段の生活の移動手段として、車を利用することが多くなります。奈良県も場所によっては車が必要です。
また、旅行シーズンには観光スポット付近が混雑したり、駐車場が値上がりしたりするなど、観光地ならではの弊害もあります。
夏の暑さ、冬の寒さ対策が必要
先述したように、奈良の北部は内陸性気候で概ね温暖ですが、県北部の大和盆地は、夏は暑く冬は寒さが厳しいことが特徴的です。また、山岳性気候の南部は降水量が多く、冬は氷点下を下回る日もあります。
エリアによって気候が異なるため、移住する際はそれぞれの気候の特徴を理解して居住地を選ぶことをおすすめします。
まとめ
奈良県は大阪や京都へのアクセスも良く、歴史的な文化資源や豊かな自然に恵まれています。移住希望者にはさまざまなサポートや手厚い支援などがあり、移住先としての人気は高まっています。また、子育て支援も充実しているので、子育て世帯にもおすすめの移住先です。
移住や定住を希望する人に向けたポータルサイト「ならりずむ」には、奈良の魅力や支援制度、移住相談窓口の情報などが掲載されています。移住を検討している人は一度閲覧してみてはいかがでしょうか。