●1st写真集は一つの集大成に

「インスタグラビアの女王」として知られる似鳥沙也加が、28日に1st写真集『Ribbon』(2,750円 KADOKAWA)を発売した。「“限界ショット”にも挑戦した」と売り込み口上でうたわれるように、リボンを模した大胆な衣装姿の彼女が表紙を飾っている。この表紙カットが意味する写真集制作に込められた思い、過去には引きこもり時代も経験した似鳥が思う“強さ”について話を聞いた。

似鳥沙也加 撮影:飛鳥井里奈

○■写真集を一人でも多くの人に届けたい

「あんまりちゃんと実感がなかったですね。写真集は芸能人の方が出すもので、自分には縁がないものだと思っていました」

写真集発売が決まった時の心境を、似鳥はこう振り返る。インスタグラムでは100万人以上のフォロワーを抱え、ひとたび写真を投稿すると、多数の「いいね!」が寄せられるが、自身が芸能人だという感覚は全くないそうだ。

雑誌のグラビアをはじめ、テレビ番組に出演する機会もあるが、「喋るのが得意じゃないので、ネットがざわつくんです。『ヤバい喋り方のやつが出てる!』って。申し訳ないなと思います」と遠慮がちに笑う。



インタビューを行ったのは、9月の頭。写真集発売まで残すところ1カ月を切っていた。「ファンの方の手元に届くまで、写真集を発売するという実感はまだなさそうですか?」と聞くと、彼女は声のボリュームを少しだけ上げて、意思表明のように言った。

「写真集発売までの期間限定でTikTokをやったり、一人でも多くの方に写真集を手に取ってもらえるように、写真集の制作チームの皆さんと一緒に動いていて、今はもう実感ありありです(笑)。写真集が出来上がったものを見て、本当にそれを皆さんに届けたくて。写真集を出すことが決まった時のような、ふわふわした感じはないですね」



○■今の自分を全て出すことができた

タイトルの『Ribbon(リボン)』には、似鳥沙也加のことを応援してくれているファンへ、この写真集が感謝の気持ちを伝えるプレゼントになれば、という思いが込められており、彼女とファンの固く結ばれた繋がりを“リボン”の形で象徴している。

「編集者の方と“こういうのがいいよね”っていうのを、撮影に入る前から打ち合わせして。これまでもいろんな作品に出させてもらう機会はあったんですけど、ここまで念入りに打ち合わせをして、撮影に臨むのは初めてでした」

「インスタって、自分がいいと思う写真を載せているので、他の誰かに写真を選んでもらうのはやっぱりちょっと怖いんです。この写真集はそういう意味でも挑戦になりましたし、もうすぐ29歳になる今の自分を全て出すことができた、一つの集大成だと思っています」

●学生時代や引きこもり時代に「後悔はありません」

○■当時の自分に“頑張ったよね?”って

写真集には、彼女が今まで語ることのなかった幼少期から今に至るまでの思いをつづったロングインタビューも収録される。

「自分の過去をお話させていただく機会はこれまでにもあったんですけど、今回は、“こういうことがありましたよ”だけじゃなくて、“こういうことがあったから、私は今こう思ってます”っていう風に、現在まで繋がりを持ってお話させていただきました。今の気持ちは全部伝えられたかなと思います」



小学生の頃から引っ込み思案でコミュニケーションが上手くとれず、引きこもり経験もあるという似鳥。しかし、インスタグラムというツールを通じて、たくさんの人との繋がりを持ち、写真集を発売するまでに。気持ちの面でも変化はあったのだろうか。そう尋ねると、「何が変わったんだろう?」「うーん……」と考え込んでしまった。

「私、毎日日記を書いてるんですけど、先日書いた日記の内容が、引きこもり時代に書いていたものとほとんど変わってなかったんです。だから、気持ちの面でもそんなに変わってないのかもしれません。『強くなりたい』って、ファンの方にブログで伝えることがあるんですけど、本当に必要な強さだけがあれば、それ以上強くならなくてもいいのかなって」

「学校に行けなくなったのも、忍耐力がなかっただけなんです。なので、行きたくないけど行ける人をすごいなと思います。でも、当時の自分はそうすることしかできなかったし、その時できる精一杯のことはやったから、“頑張ったよね?”って。私はネガティブで後悔はいっぱいするんですけど、学生時代や引きこもり時代に“もっとこうしておけば良かったな”という後悔はありません」



最後に、写真集を楽しみにしている人たちへのメッセージを聞いた。

「写真集を届けるに当たって、皆さんに何を一番伝えたいのかをずっと考えてるんですけど、言葉にするのは難しいですね(笑)。でも、皆さんに『良かった』と思ってもらえる作品になっているとは自信を持って言えます」

「まだ写真集は出てないのに、今まで会ってきたファンの方々の喜ぶ顔がもう浮かんでるんです。この写真集を作るに当たっても、みんなの顔が浮かんでいたし、そこまで深い関係になることができて、改めてすごく嬉しいなって。私はファンの方に支えてもらってばかりなので、一つ形として、感謝を込めた作品を届けられたなと思います。東京と大阪で写真集のお渡しイベントもあるので、一人ひとりお会いしてお礼を言えたら、嬉しいです」





























■プロフィール

似鳥沙也加

1993年9月28日生まれ。福岡県出身。2016年12月にInstagramを開始し、ハッシュタグ「#インスタグラビア」で注目を集める。グラビア雑誌の表紙も多数飾るほか、2020年にはTOKYO MXのバラエティ番組『ズンズン!!ニトリ』でメインMCを務めた。2022年9月28日には、1st写真集『Ribbon』(2,750円 KADOKAWA)を発売した。