(有)FELICE(資本金300万円、登記面=兵庫県姫路市南畝町1-41、代表清算人由利佳久氏)は、債権者より破産を申し立てられ、9月14日に大阪地裁より破産手続き開始決定を受けた。

 破産管財人は密克行弁護士(大阪府大阪市中央区高麗橋2-5-10、密総合法律事務所、電話06-6221-0460)。

 当社は、2005年(平成17年)9月に設立した不動産賃貸業者。姫路の不動産王と呼ばれた大川護郎氏が代表を務めていた(株)ANGELO(TDB企業コード:648009415)のグループ企業として姫路市を中心に神戸市・大阪市などにマンションやテナントビルなど多数の物件を保有。大川氏自身の著書やメディアへの出演などによる知名度向上もあって当社においても収益物件の取得を進め、2019年3月期には年収入高約5億700万円を計上していた。

 しかし、収益面では賃貸物件の稼働状況が低調だったうえ、借入金に伴う金利負担なども重く債務超過に転落。グループの中核企業である(株)ANGELOが2019年9月までに金融機関に対して返済猶予を要請していたが、経営再建のために賃料回収業務を委託していた不動産管理会社とトラブルが発生し、資金繰りが一層悪化していた。翌2020年9月には(株)ANGELOが銀行取引停止処分を受けたことで、グループ企業の信用不安が表面化。さらに債権者より破産を申し立てられ2021年1月には(株)ANGELOなどグループ企業3社が大阪地裁より破産手続き開始決定を受け、当社所有の不動産も相次いで競売となり、収入が急速に減少していた。こうしたなか、同年12月には当社株式を大阪の企業に売却。所有不動産の任意売却など清算手続きを進め、今年7月19日開催の株主総会の決議により解散していたが、今回の措置となった。

 負債は推定56億円。