C大阪U-15が夏の日本一に。キャプテンの平山(右)は表彰式でJFAの宮本恒靖理事(左)から賞状を受け取った。写真:松尾祐希

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 記憶にも記録にも残る中学生活最後の夏だった。

 8月24日に行なわれた第37回日本クラブユースサッカー選手権(U-15)大会の決勝。2018年、2019年に決勝で敗れており、夏の日本一を成し得ていなかったセレッソ大阪U-15が、横浜FC Jrユースを3−1で下して悲願の初優勝を飾った。

 試合終了のホイッスルが鳴った瞬間、セレッソ伝統の背番号8を背負うキャプテンは両膝をピッチに落として天を仰いだ。広大な十勝に広がる青い空の下で優勝の味を噛み締めた。

 MF平山大河(3年)にとっても悲願の日本一。八尾大正FCに所属していた小学校6年生の時は冬の全日本少年サッカー大会に出場したものの、ベスト8で敗退。キャプテンとしてチームを牽引したものの、「自分のプレーを出しきれず、後悔が多かった」(平山)。あれから3年――。

 複数のJクラブから声をかけてもらったなかで、C大阪U-15を選んだ。「練習会でもっと自分が成長できると感じたんです」。自分の選択は決して間違っていない――ようやく掴んだ日本一に思わず笑みが溢れた。
 
 平山は中学2年生の時にエリートプログラムに選出され、今年は3月と8月にU-15日本代表に選出された経歴を持つ。今大会もダブルボランチの一角で全試合に出場し、正確なパスや展開力を武器に存在感を発揮。その成長ぶりは金晃正監督も認めるところで、今大会だけではなく、この1年半の進化はチームでも1、2位を争うという。

「彼は一番、吸収力があった。ボールを止めることに関しては本当に(感覚を掴むのが)早かった。ただ、その先となった時に相手を見てプレーできなかったりして、壁に当たってしまったんです。

 でも、彼は下を向かずにやり通すメンタルを持っているので乗り越えてくれた。特に今年5月の終わりぐらいに壁に当たって、思うようにいかなかったけど、そこから見えるモノが変わってきましたね」

 思い返せば、2年前に風間八宏氏がクラブの技術委員長に就任し、そこから全てが始まった。止める、蹴るなど、今まで追求していた技術が見直され、技術に自信があった平山も例に漏れず一から再構築を始めた。

 最初は戸惑いがあり、「プレーで体現するのが難しかった」と振り返る。しかし、持ち前の吸収力を発揮して新たな考え方を自分のモノにした。
 
「“止める”はボールを止めるだけではなく、相手も止めて操ること。蹴るはスルーパスもそうですけど、スペースに合わせるのではなく、点で合わせること。2年生の最初の頃は点で合わせることはめちゃくちゃ難しかったんですけど、だんだん慣れてきて、点で合わせることができるようになりましたね」

 その結果、プレーも変化。「止めることに集中すると、まず下を見てしまう。止められるようになると前を向いているので、見える景色が変わったと思います」と金監督が話す通り、ルックダウンする場面が減少。相手と駆け引きしながら、より良い状態でボールを受けられるようになった。

 そうした成果が着実に表われており、この決勝でも風間氏が求める“止める”“蹴る”を体現。攻撃のキーマンとしてゲームを組み立てる役割を担い、チームの勝利に貢献した。
 
 今大会で評価を高めたものの、本人は現状に満足しておらず、得点力を課題に上げる。指揮官は技術的な部分でも改善の余地があると感じており、「自分から見てもまだまだ止まっていない。それではボールを失ってしまうと思う場面はある」と話す。

 来季からはU-18チームでプレーする。「世界でどこまで通用するかを確かめたい」と世代別代表でのプレーにも意欲を燃やす成長株は最高の夏を経て、さらなる高みを目ざす。

取材・文●松尾祐希(フリーライター)

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