国鉄民営化時の輸送密度とも比較。


開聞岳を望む指宿枕崎線の西大山駅。「日本最南端の駅」とあるのは、2003年に沖縄で「ゆいレール」が開業するまで日本最南端の駅であったため。現在はその上に「JR」の文字が入る。

 JR九州は2022年8月25日(木)、管内の13路線18線区の収支状況を発表しました。

 今回は輸送密度(1日あたりの平均通過人員)が2000人未満の線区について取りまとめられました。なお2021年度に大雨や台風災害で被災した久大本線(日田〜由布院)、日南線(田吉〜油津、油津〜志布志)と、それ以前から被災していた日田彦山線と肥薩線の一部区間については開示されていません。

 これによると、営業損失が最大だった区間は日豊本線の佐伯〜延岡間(▲7億8700万円)。次いで久大本線の久留米〜日田間(▲7億8300万円)、日南線の田吉〜油津間(▲5億6900万円)という結果でした。逆に、最も営業損失が小さかった宮崎空港線(田吉〜宮崎空港)でも、4700万円の赤字でした。

 JR九州は、「コロナ禍や災害だけでなく、今後さらに人口減少や少子高齢化、マイカーへの転移などの影響を受けることを想定しておく必要があり、交通ネットワークを持続可能なものとするための取組みを進めていかなければならないと改めて感じた」としています。

 国鉄が分割民営化された1987(昭和62)年度と2020年度とで輸送密度を比較すると、最も減少率が高かった区間は90%減に。日豊本線の佐伯〜延岡間と、筑豊本線の桂川〜原田間です。また、今回発表された路線のうち、輸送密度が1000人未満の区間も10路線13線区にのぼったそうです。